« 新銀行東京について考える | トップページ | 当世牛どん屋事情 »

新銀行東京について考える 2

 昨日、新銀行東京について書いていて、途中で尻切れトンボになってしまったので、今日もその続きを書きたいと思います。二日連続で同じテーマを書くのは、集中力が持続できないのでつらいけどがんばろう。
 中小企業は、経営者がすべてだと言われます。とくに新銀行東京がターゲットとする零細中小企業は、すべての権限が経営者に集中していると言っていいでしょう。当然、審査するポイントとして、経営者の資質がその第一になります。
 新銀行東京は、そのような零細企業に、無担保で資金を融資するそうです。これはとくに斬新な発想ではなく、一般の金融機関でもよくやっていることですよね。ただちょっと違うのは、一般の金融機関から断られたり、二の足を踏んだりしている中小企業にターゲットを絞るということ。この点はテレビでも、新銀行東京の職員が、他の金融機関さんとは顧客層が違うと仰っていました。
 普通の金融機関から断られた中小企業に積極的に融資を行う。素晴らしい。
 素晴らしいけど、大丈夫なんだろうか。一般の金融機関は、貸し渋りと叩かれていますが、今は赤字で担保がなくとも、将来性があって経営者がしっかりした中小企業はけっこうマークしている。都市銀行は、将来性があっても小さな会社は相手にしないところがありますが、地方銀行や信金クラスの真面目なところは、バブル当時から心を入れ替えて、わりと融通がきく部分もある。
 新銀行東京が民業を圧迫しない中小企業というのは、一般の金融機関の融資対象から外れた企業ということになりますね。このクラスの企業は、玉石混淆でとても判断がむずかしい。磨けば、数年で上場を果たすような潜在能力を持っているところから、どんなにお金をつぎ込んでも体質的にどうしようもないところもなきにしもあらず。
 このような企業に対しては、一般の銀行は保証協会や担保、個人保証、連帯保証などあらゆる手段を使って身の安全をはかろうとしてきました。逆に言えば、要件さえ満たせばある程度、すんなりお金が出る部分もあった。
 会社への融資は、基本的には個人間のお金の貸し借りとそう違わないと思います。昔から付き合いがあったり、実家が資産家で家族もよく知っていたり、サラリーマンで毎月決まった額の収入が入ったりしてきちんとした人から借金をたのまれれば、「何に使うの?」と聞いたうえで、その理由が納得できれば、お金を貸してもいいと思うはずです。
 ただ会社への融資が個人と少し違うのは、判断する要素がとても複雑で、融資担当者の資質をはるかに超えるような状況が多いことです。それを今まで一般の銀行は、過去から未来を推定する形で行ってきました。
 たとえば、過去の決算書の数字、過去に取得した土地建物などの資産。これらのものは目に見えるから、いわば誰でも一定の経験をつめば融資審査をできるようになる。
 それを新銀行東京は、それらを取っ払って、企業の未来の姿で融資を行うという方針らしいです。
 これは私的に見ると、理想的な融資の形ですね。でも、私企業である一般の銀行はできない。リスクが多すぎます。それに、これは銀行員の致命的な欠陥なのですが、行内の規定、規定でがんじがらめに縛られているから創造的な思考ができなくなっている。大学を出て、とてもユニークで、面白い、型にはまらない発想をしていた人間たちが、十年、二十年と組織の中で型にはめられ続けているうちに、マニュアルがなければ何も発想できない人間に変えられてゆくのです。
 もちろん一般論で、そうじゃない人たちも大勢いますが、そういった人たちは悲しいかな、異人種として本道を歩めないのが実情です。最近とくにその傾向が強くなって来ているんじゃないですか。金融庁の方針以来、銀行員たちは、常にマニュアルからはずれることに怯えていると言っていいのかもしれません。
 ただ、企業の未来を評価するという融資方針では、このマニュアル的発想は大きな阻害要因となります。今伸びている会社の経営者は、マニュアルを見ながら経営をしている人なんかいません。何度も何度も失敗を繰り返しながら、その都度自分の頭で考え、何もないところから道を切り開いてゆく。
 今までは、将来性はあるが、銀行のマニュアル的融資審査からこぼれてしまったベンチャー企業は、かんたんに倒産してきました。もちろん、つぶれるべくしてつぶれたケースがほとんどだと思いますが、中にはタイミングよく資金が出ていれば今のライブドアや楽天のようになった会社もあったかもしれない。
 新銀行東京が、本当に未来発想で融資を行うのか、たんなるマニュアル的発想融資の二番煎じで終わるのか、注目したいですね。
 しかし、大きな理想を実現するには、あまりにも大きなハードルだと思います。果たしてできるのかな。新銀行東京も、金融庁の監督下でしょう?。でも、石原都知事ががんばっているからなあ。少し期待する部分もある。
 ともかく、新銀行東京のひとたち、新たな発想で頑張ってください!!

Banner2_8 ← ブログ存続にご協力お願いします。

|

« 新銀行東京について考える | トップページ | 当世牛どん屋事情 »

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。 興味深く読ませていただきました。
以下 どうお考えか、ご見解を教えて戴ければ幸いです。
新銀行東京ホームページの、中小企業向け無担保融資の案内を見ると、「法人のお客様は代表者の連帯保証が必要です」とあります。 中小企業向け融資の実情は何も知らないのですが、個人連帯保証はやはり不可欠だと思われますか?
「企業の未来の姿で融資する」のであれば、企業のキャッシュフローに立脚しつつリスク見合いのリターンをうまくマネージする、例えば貸掛金、在庫を担保に取り、且つワラント等で成功時のアップサイドはシェアする、等すれば良いように思うんですが、そういう手法は現実的ではないでしょうか?
私は、個人保証の習慣こそが、日本で起業することのリスクを高め、アントレプレナーシップ精神を阻害する大きな要因だと感じており、個人保証に嫌悪感を抱いております。
"コメント"ではなく、単なる質問になってしまいましたが、宜しくお願いします。

投稿: 旅人 | 2005年4月24日 (日) 16時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/97372/3809124

この記事へのトラックバック一覧です: 新銀行東京について考える 2:

» 新銀行東京 [『新銀行東京』の知識]
新銀行東京新銀行東京(しんぎんこうとうきょう、''ShinGinko Tokyo, Limited'')は、信託銀行に属する金融機関である。なお金融庁の分類では、「新たな形態の銀行|新たな形態の銀行等」として、ネット専業銀行など、新規参入銀行とともに位置付けられている。情報元:W... [続きを読む]

受信: 2005年5月14日 (土) 22時21分

« 新銀行東京について考える | トップページ | 当世牛どん屋事情 »