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オタクが営業で成功する話

昨日、一冊の本を読み終わりました。書名は、「火天の城」で、山本兼一著。

 最近読んだ本の中では、面白かった本のうちの一つです。内容を一口で言うと、安土城の築城を請け負う大工の総棟梁が、さまざまな困難に直面しながら城を完成させるまでのストーリー。伏線として、父と子の葛藤や仲間同士の軋轢、仕事にかける職人の意地みたいなものが織り込んである。

 興味深いのは、当時の築城の技術的な面が、職人の視点で細かく書かれていること。こういう切り口で書かれた、戦国の歴史小説は今まで読んだことがありません。書棚にある安土城の図面や航空写真と見比べながら、自分が安土城を作る職人の気分になって一気に読みましたよ。

 この本、なんでも松本清張賞受賞作で、直木賞候補にもなったとか。そうか、直木賞だめだったんだ…。構成や技術的な面での考証の努力はすごいと思ったのですが、引っかかる部分もある。敵の女間者かなんかが出てきて、途中で成敗されるところ。全編リアリティーに溢れているんだけど、その部分だけ忍者小説みたいになってる。全体の流れのなかでその部分だけ浮いちゃってるというか、とってつけたような印象なんですよ。

 城を作るだけの話じゃ、一般読者に興味を持ってもらえないと思って、ミステリーの要素を付け加えようとしたのかな。ミステリー的な要素を入れるなら、全体のプロットの中に組み込んでいく必要があるんじゃないでしょうか。異質な箇所がひとつあると、全体のイメージがぼやけちゃう。

 でも、それを割り引いても面白かったのにぃぃぃぃぃ~、直木賞だめだったんですからぁぁぁぁぁぁ~、残念!!。

 作者は実際に大工の親方から、木の見方や削り方を教えてもらったそうですね。専門書をいくら読んでもイメージできなかった築城の様子がよくわかりました。次回は、大阪城を書いて欲しい。姫路城もいいけど、個人的には、肥前名護屋城なんか知りたいですね。あれだけの大工事を起こしながら、今は何の建物も残っていないという点では安土城と同じだし。

 実は私、かつて城オタクだったのです。小学校時代、暇さえあれば日本の城の本ばっかり読んでました。

 小学生で、全国の五万石以上の城郭の位置やら、築城者、石高まで記憶していたのだから、結構キモイかもしれない。三つ子の魂百までもと言いますが、今でも日本中の城のことは大抵頭に入ってる。

 でもこのオタク知識が、社会人になってから役に立ったから世の中わかりません。銀行員になって、会社の社長さんたちと話すとき、結構これが話題になりました。

 会社の社長さんって、司馬遼太郎のファンの人が多いですけど、歴史が好きな人も多いんですよ。ある会社では、戦国時代ファンの社長さんと話があって、昼食をはさんで五時間もぶっ通しで、歴史談義に花を咲かせたことがあります。当然、営業にもプラスになりました。

 まず初対面の社長さんの苗字が少し変わっていたら、「変わったご苗字ですね。どちらの御出身ですか?もしかしたら由緒のあるお家柄ではないてしょうか」と聞く。

 そのあと、地方の出身だったら、その土地の歴史、名所旧跡、名産品などの話をする。すると、大抵、「よく知ってるね。行ったことあるの?」と聞かれるから、「いえ。そういうわけではないのですが、知り合いがおりまして、いろいろお話を聞いております」

 とかなんとか、話をつないでいくと、初対面で結構打ち解けた話が出来るのです。

 世の中、営業理論や横文字のマーケティング理論が華やかに横行していますが、そればっかり勉強してたら、ちっとも面白くない人間になっちゃう。遠回りに見えますが、一見仕事とは関係ないこと、ほかの人があまり知らないことを追い求めているオタクになることが、案外近道になるんじゃないかと思えるのです。

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