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実践営業論: お客さまを森山周一郎にしよう(法人開拓編)

 昨日は一般家庭を訪問する場合について書きました。今日は、会社を訪問し、社長さんと初対面で挨拶する場合を考えてみましょう。

 飛び込み訪問だと、最初から話を聞いてもらえないケースがほとんどなので、この場合、前任者からの引継ぎなど既取引先の深耕訪問というケースにしましょうか。まったくの新規法人顧客の開拓は、いづれ触れたいと思います。

 さて、会社の社長室に通されると、まず名刺交換から始まります。そして、「さあ、どうぞ」と、応接セットに案内されるでしょう。応接セットがない場合を除いて、十中八九、ここまでの流れはどこの会社も同じです。さて、腰を下ろして、どんな話題をいたしましょうか。

 経験上、社長さんと真向かいで腰をおろした状態で、社長さんのほうから口火を切ることはほとんどありませんでした。社長さんのほうから口火を切るのは、逆に社長さんから自分のところの商品を売り込まれるケース。営業する側が、口火を切るのが普通です。

 そうですよね。社長さんとしては皆、営業マンを前にして、どんなふうに売り込まれるだろうと身構えている。先に口火を切って、自分の手の内を明らかにしたくない。まずお手並み拝見とやるわけです。こんな状態で、不用意に真正面から営業の話から入ると、「そら来た」と、大手門を閉ざし、難攻不落のろう城戦略をとる。

 こんなことしたら、城に入る前に、弓矢の抵抗にあってこちらは全滅しちゃいますよ。こちらとしては、まず大手門全開の状態のまま城の中へ入らなきゃなりません。

 そこで、社長さんにも森山周一郎状態になってもらう必要があるのです。そのためには、社長さんが何に興味をもっているか、何を話したら気持ちがよくなるかについて知る必要があるんでしたね。

 会社の社長室にも、一般家庭と同じように会話のヒントとなるグッズがたくさん隠されています。隠されていると書きましたが、社長さん個人としては隠すつもりなんて全然ないんです。話題にしたくて、せっかく人の目に付くところに置いているのに、誰もその話題にふれてくれない。ちょっと欲求不満状態。

 だから、会話の最初にそれに触れてあげると大喜びです。大手門を閉ざそうと待ち構えているところへ、同盟国の援軍が駆けつけたような感じかもしれません。

 さて、その会話のヒントとなるグッズですが、本当にさまざまでした。まずよくあるのが、表彰状やトロフィーの類です。これは、社長さんの趣味のものなら、話題にすると大抵大喜びで話してくれます。だって、他の人に自慢したくて社長室に飾ってあるのですから。そのとき、たとえば釣り大会のトロフィーだったら、「自分もたまに釣り大会に参加するのですが、いつもブービー賞で、優勝の秘訣を教えていただけますか」、なんて話を持っていけば、机の中からドラえもんのポケットみたいにルアーとか、釣り糸とか出して説明してくれます。

 ゴルフの賞状は定番ですが、定番過ぎてもあまり会話が弾みません。ゴルフをやる人は大勢いるから、誰もがその話題に持って行きたがるんですな。むしろ、カルト的な趣味を持っている社長さんだったら、誰も相手にしてもらえないので、私も興味がありますなんて言ったら、その瞬間、社長さんと仲間になれるかもしれませんよ。

 ただ同じ賞状でも、仕事関連だと要注意です。不用意にほめると、「あの賞状は、先代社長時代のもので、今は没落貴族みたいなもんですよ」と、そのまま大手門を閉められてしまう危険性もあります。

 ほかには「社訓」なんてのもありました。社長さんがすごく頭をしぼって苦労して作ったのに、誰もそれを話題にしてくれない。一つひとつ、教えを乞いながら説明してもらいましたよ。苦労を積み重ねて会社を大きくしたエッセンスがつまった名言なのに、やってくる営業マン皆それを無視して、自分の売りたい商品の話だけする。もったいない話です。

 それから、アメフトのヘルメットが社長室に飾ってあったり、鉄道模型、ミステリー全集、ボトルシップ、昆虫標本など、気をつけてみると社長室には社長さんの個性や興味の方向性がわかるものがたくさんあります。それがわかったら、思う存分、話をしてもらうといいと思います。すると今までとは違った社長さんの顔を発見するのではないでしょうか。

 そして聞くときは、営業マンであることは忘れ、同じ趣味や興味をもつ後輩として、師匠に教えを乞う形で話に耳を傾けるといいと思います。

 慌てる乞食はもらいがすくない。急がば回れ。昔の人は、いいこと言うなぁ。

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受信: 2005年5月 9日 (月) 14時17分

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