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リズムがあって読みやすい文章の研究

 こんぱんは。

 ご無沙汰いたしております。

 ここのところ、珍しく、忙しい状態が続いておりまして。

 今まではどちらかというと、副業は忙しくなっても本業はそれほどでもなかったんですけどね~。

 オイラがやっている副業のひとつに食品のモニターというのがあるのですよ。

 これは、ただで飲み食いできる上に、謝礼までもらえる優れもの。

 今までは10件申し込んで2~3件採用されれば御の字だったのですが、なんと次から次へと依頼が…。

 気がついたら部屋中、ペットボトル飲料やラーメン、冷凍食品だらけになっていました。

 でも、それを飲み食いするだけなら別になんということもない。

 大変なのは綿密な報告書を作成すること。

 普段はそれほどでもありませんが、こういうことになるとA型のマニアックな性格が遺憾なく発揮される。

 一口食べてみて、沈思黙考。

 腕組みをしながら、「う~ん。甘からず、辛からず、…美味からず」なんてダチョウ倶楽部の往年のギャグを思い出し、一人ケラケラ笑っている今日この頃です。

 オイラが書いた報告書をブログのネタにできたら面白いのでしょうけど、守秘義務があってできないのが残念!

 「よくこんなこと思いつきますねぇ~」とメーカーの開発担当者からメールが来たことも何度かあるのですが…。


 それから、スーパーや金融機関、医療機関などサービス業の接遇応対調査。

 これは、本業の範疇に入ると思いますが、昔だったら隠密同心ですよね。

 企画書がどんどん通ってしまったので、これから関東一円をまわることになりそうです。

 気分を出すために、旧水戸黄門の「風車の弥七」スタイルで行こうか、と…。

 店頭で余計目立ったりして。

 これから年末にかけて若干更新が滞りがちになるかもしれませんが、元気に頑張っていると思いますので、よろしくご配慮のほどお願い申し上げます。

 もしかしたら、悪代官につかまって拷問を受けているかもしれませんけど。
 

 さて、かなり昔になってしまいましたが、前回の文末に関する話題の続きから。

 何度も書きますが、わかりやすい文章にとって重要なのは、センテンスを短く切って、テンポをよくし、主語と述語を近づけ、明確にする。

 リズムがあって、テンポのいい文章は、文末の表現が多彩なのではないかとオイラは考えました。

 オイラが知っている中でもっとも、上記の基準にあっていると思う文章。

 それは、夏目漱石の「草枕」の冒頭ではないかと思うんですよ。

 ちなみに引用しますと…。

「 山道を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世はすみにくい。住みにくさが高じると、安いところへ引越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟ったとき、詩が生まれて畫が出来る。人の世を作ったものは、神でなければ鬼でもない。やはり向こう三軒両隣にちらちらする唯の人である。唯の人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行く許りだ」


 おお、なんと素晴らしいリズム感!

 センテンスが短く、テンポがいい。

 小説の冒頭部分でありながら、これだけ有名なのは、やはり含蓄のあるフレーズなのはもちろん、リズム感がいいからでしょうね。

 文末のバリエーションも多彩ですし、同じ文末が3回続かない。

 ちなみに、「草枕」は言うまでもなく名作だと思います。

 読んだのは10年位前で、それほど古くはないのですが、読む前のイメージと全然違っていたのに驚きました。

 実は、古臭い教訓小説だと思っていたのですよ。

 それが、なんと斬新なプロット。

 現代なら、ミステリーの範疇にも入るのかもしれませんね。


 それはともかく、文末の話題でした。

 それくらいオイラは、文末に注目しているのです。

 ところが、しかし…。

 実際、文章を書いてみると、日本語は文末のバリエーションがあまりに少ない。

 これは別にオイラの意見ではなく、日本語の特殊性によるらしいのです。

 この点について、井上ひさし氏の書いた「自家製 文章読本」がすごくわかりやすく説明してくれていますね~。

 日本語の文末のバリエーションの少ない理由、それは、文末決定性にあるらしい。

 つまり、日本語の表現のすべては、文末で決定されるということ。

 これは、よく言われることですよね。

 たとえば、欧米人が日本語を勉強するとき面食らうのは、最後まで聞かないと相手の言っていることが理解できない点だと。

 たとえば…

 ビジベンは、ロレックスの時計を持ってい□。

 …と、文末を伏せてしまう。

 すると、持っているのか、いないのか、あるいは持っていたが質に入れてしまって今はないのか。

 最後の最後まで、読んだり、聞いたりしないと、オイラがロレックスの時計を持っているかどうかわからない。

 もっとも、オイラのことを知っている人は、カシオのデジタル(Gショックではない)くらいしか持っていないと類推できるわけですが…。

 それに対して英語だと、文章の半ばくらいで「not」が入るから、ロレックスを持っていないとわかる。

 それはともかく、なぜ日本語の文末決定性が、文末の貧弱さを生み出すのかという点。

 それは、日本語の文末にはいつも何が来るのかを考えるとわかりやすい。

 言うまでもなく、文末には述語が来る。

 述語は、動詞である場合が多い。

 ここで、動詞の終止形を考えてみると「る」がほとんど。

 また、動詞の過去形は、言うまでもなく「た」。

 だから、日本語の文末は、「る」か「た」で終わる場合が圧倒的に多いのだそうな。

 確かにそうですよね。

 さっきの例で言うと、

 ビジベンは、ロレックスの時計を持っている。

 ビジベンは、ロレックスの時計を持っていた。

 …と、肯定的に終わろうとすると、ありきたりで陳腐な表現になってしまう。

 ここは、日本語表現にバリエーションを持たせるためにも


 ビジベンは、ロレックスの時計を持っていない。


 …と、終わらせるほうが秀逸な表現ができるのではないか。

 だから、オイラは、日本語表現の多彩さを目指すために、ロレックスは持っていないのであります。

 「………………。」


 別にオイラの貧乏を正当化するために、日本語の文末の単調さを指摘するわけではないですよ。

 文豪と言われる人たちだって、「文章読本」の中で、次のように書いているのだ。


「 ( 日本語は、)センテンスの終わりに「る」、「た」、「だ」、「す」等の音が繰り返される場合が多いので、都合のよいこともありますけれども、形が極まりきってしまって、変化に乏しい」 
 (谷崎潤一郎)


「 私はまた途中で文章を読み返して、過去形の多いところをいくつか現在形に直すことがあります。これは日本語の特権で、現在形のセンテンスを過去形の連続の間にいきなりはめることで、文章のリズムが自由に変えられるのであります。

  日本語の動詞が必ず文章の一番後に来るという特質によって、過去形のセンテンスが続く場合には「~した」、「~た」という言葉があまりに連続しやすくなります。
  そのために適度の現在形の挿入は必要であります」  (三島由紀夫)


「文章にリズムをつけるために、センテンスの語尾、つまり文末の影響は大きい。これが単調で、平凡な語が連続すると、文章全体にしまりがない感じがする。

 ところが、日本語は述語が一番後に来る構造のため、文末に語が来やすい。とくに、「~た」、「~である」、「~だ」などがひんばんに出てくる。

 これは文末を見つけ出すには都合がいいが、同じ語が文末に重なると、文章全体が単調になって、歯切れを悪くしてしまう。

 日本の作家たちも、この問題にはだいぶ悩まされたようだ」 (能戸清司)


 もっとも、以上の文章を読んだから、オイラが文末にこだわっているわけではないのです。

 今まで、いろんな本を読んできて、なんとなく文章のリズムが気になった。

 それで、それは文末の表現方法によるものではないかと仮説を立てたんですよ。

 そして調べてみたらなんとこの問題は、超有名な人たちからずっと論じられてきたことだったのですね~。

 オイラは、理論的にはこの謎を解き明かすところまでは行きませんでしたけど。


 …ということで、いつになるかわかりませんが、文末の話題は続きます。

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