自然教育園、松岡美術館、庭園美術館、目黒美術館めぐり in ぐるっとパス
こんにちは。
おかげさまで、親知らずは、すっかり回復してさわやかな秋を満喫しております。
でも抜いた後の数日は、案の定、激痛に見舞われて大変でした。
痛くなったら飲んでくださいと言われた痛み止めの薬も、その日のうちに全部飲んでしまいましたし…。
しかも真夜中、痛みで目が覚めてバファリンのお世話になることに。
歯茎からなかなか血が止まらず、ペットボトルのトマトジュースを常時飲んでいる気分が続きましたね~。
ところで、それだけ大変な抜歯を、縄文時代の人たちは風習として行っていたらしいのですよ。
しかも、虫歯のない健康な歯を…。
現代みたいに麻酔もなかったでしょうし、その痛みを想像するだけで鳥肌が立ちます。
健康な歯を抜く理由はいろいろあるらしいのですが、抜歯の苦痛に耐えることで、晴れて大人の仲間入りを果たすという部分もあったとか。
親知らずを麻酔と鎮痛剤をふんだんに使って抜いたオイラは、縄文時代の人たちから大人と認めてもらえないかもしれませぬ。
親知らずを抜いたことで、縄文人のド根性を体感したような気がしました。
それはともかく、秋たけなわですね。
秋といえば、食欲、読書とともに芸術も忘れてはなりませぬ。
東京には博物館や美術館は星の数ほど、とは言いませんが、いくら丼に載ったいくらの数ほどあるといっても過言ではない。
紅葉に彩られた街を歩き、美術館をまわるなんてできたら最高ですよね。
だけど、美術館に入ろうと思うと高いっす。
常設展はともかく、企画展ともなるとまず1000円は越えてしまいます。
1000円あれば、松屋のカレーに野菜や温玉までつけて二日分のランチが賄えるのに、と思うとどうしても足が遠のいてしまう。
マズローの欲求五段階説を出すまでもなく、芸術欲をはじめとする自己実現欲求は、食欲が満たされてからなんぼのもの。
だけど、食うためだけに生存するのもつらいっす。
オイラの今までの人生は、そんな日々の葛藤でした。
しかし、オイラにとって画期的な商品が発売されていると知ったのは、今年の晩夏。
江東区にウォーキングへ行ったとき、中川船番所資料館でパンフレットを見つけたのですよ。
それは、「ぐるっとパス2007」。
都内56の美術館・博物館や動物園・水族館などの入場券または割引券がつづられたチケットブックなのですね~。
これがあれば、水戸黄門の印籠みたいに大威張りで、上記の施設に無料で入れるのです。
ただ、割引券の施設は別途入場券を買わないといけないのと、ぐるっとパスもただではありませんので念のため。
それでも、やっぱ安いですよ。
2000円でぐるっとパスを買えば、都内56の美術館・博物館や動物園・水族館でメリットを受けられるわけですから。
ちなみに、今回行った東京都庭園美術館と自然教育園、松岡美術館、目黒区美術館の常設展と企画展、入場料を普通に入ったら、トータルで3,300円。
なんと、一日で元が取れておつりがくる勘定ですよ。
なら、行くっきゃない。
…ということで、親知らずを抜いてまだ激痛が続いている悪コンディションをものともせず、オイラはJR目黒駅へやってきました。
この辺りは一応地元なので、体調が悪くなったらすぐ帰宅できるという安心感もあったのですが…。
まず向かったのは、目黒駅近くの国立科学博物館付属自然教育園。
山手線の駅から徒歩4分で、武蔵野の自然を満喫できるのですね~。
何度も入ったことのある場所ですが、朝一番でしたからすごくさわやかでした。
親知らずを抜いた痛みも、一瞬ですが忘れましたね。
なんでこんな都会に20ヘクタールもある林が残っているのだろうと思いましたが、沿革を知るとそれも納得できます。
今から400~500年前の中世は、豪族の館。江戸時代は四国高松藩主松平頼重の下屋敷、明治時代は陸海軍の火薬庫、そして大正に入ると宮内庁の白金御料地として利用されてきたのだとか。
当然この長い期間は、一般人は中に入ることができませんでした。豊かな自然の広い土地がここに残されたのですね。
そして、昭和24年に「天然記念物および史跡」に指定され、国立自然教育園として一般に公開され現在に至る。
どちらかというと、自然科学より社会科学に興味のあるオイラは、園内をまわり、白金長者と呼ばれた豪族の遺構のほうに目が行ってしまいました。
江戸時代の下屋敷の跡よりも、中世に築かれた土塁の跡がしっかり残っているんですよ。
土塁は、20ヘクタールある園内の外側を囲っているみたい。しかも、外側の土塁はかなりの高さがありますね。
歴史的興味以外にも、水鳥の沼や武蔵野植物園、水生植物園などの見所もたくさんありました。
注目したのは、園内でシュロの群落が次第に大きくなっているという点。
ご存知のように、シュロは暑い地域によく見られる植物ですね。こんなところにも、地球温暖化の影響がヒタヒタと押し寄せているのがわかりました。
ひょうたん池では、浮いている枝の上に亀が一直線になって登っていました。同じ方を向いて、何をしているのでしょうか。
自然教育園を出て、白金のプラチナストリートを歩き、次の目的地を目指します。
白金は昔、地下鉄も通っていなくて、陸の孤島などと呼ぶ人もいました。
もっとも当時から、聖心女子学院などハイソな学校があって一目は置かれていましたが。
オイラには何の変哲もない普通の通りに見えましたが、オープンカフェやお洒落なレストラン、ショップが建ち並んで人気の理由がわかるような気がしましたね。
そんなお洒落な白金のストリートから少し奥に入ったお屋敷街にあるのが、松岡美術館。
中で写真は撮れないので、外観だけですが。
以前、新橋のビルにあった記憶がありますが、平成12年にこの美術館の創立者の私邸跡地に新美術館を建設して移転したみたい。
ちなみに創立者は、松岡清次郎氏で、戦前戦後にかけて、不動産、冷凍倉庫、ホテル業などで財を成した人なのですな。
きれいで、ほどよい大きさ、そしていろんなジャンルに分かれて幅広く作品が展示されているのでなかなか面白かったです。
たとえば一階は、古代オリエント美術、現代彫刻、ガンダーラ、インド彫刻。二階は、東洋陶磁、日本画、フランス近代絵画みたいな。
東洋陶磁の青磁の壺は、やはり多くの人たちか言うように、魅力的で神秘的な色だと納得できました。
また、古代オリエントやガンダーラ、現代彫刻を見たあとに、横山大観や川合玉堂、上村松園の日本画を見るとなぜかほっとしたり。
松岡美術館を出て、また自然教育園のほうに戻り、今度はその隣にある東京都庭園美術館へ向かいます。
庭園美術館は、建物自体が美術作品と言いますか、とても魅惑的な景観。
それもそのはずで、ここは旧朝香宮邸として使われていた建物をそのまま美術館として公開したのでね。
できたのは、昭和8年で、アールデコ様式の傑作なのだとか。
ちなみに、アールデコとは、1920~1930年代にヨーロッパを席巻した装飾様式らしいのですが、詳しいことはわかりませぬ。
それにしても、こんな宮殿のような家に住めたら幸せかなと考えました。
広いと言っても、半端じゃない。
2階のホールだけでも、一般的な家族4人が暮らすマンションの面積より広いかも。
どこへ行くにも、かなりの距離を歩かないといけませんからね。家の中でウォーキングができるのはいいですが…。
それはともかく、オイラが行った日は、「ティファニー」の展覧会が開催されていました。
ティファニーといえば、世界を魅了するジュエリーの大ブランド。
でも、オイラからもっとも遠いところにあるブランドと言っても過言ではない。
ぐるっとパスがなければ絶対お目にかかることはなかったであろうジュエリーに拝謁してまいりました。
あまり興味はないジャンルですが、それでもデザインと宝石には魅了されましたね。
宝石って、こんなにキラキラ光り輝くものだったとは。
それだけで感動してしまう自分が情けない。
ティファニーの店内は、見てるだけ~では入りづらい面もありますが、美術品となるとゆっくり鑑賞できる。
セレブな奥様方や深窓の令嬢は、こういうジュエリーをお召しなのかということがイメージできただけでも、来た甲斐はありました。
もっとも、オイラはオードリー・ヘップバーンやエリザベス・テイラーの写真だけが記憶に残っているのですが…。
あまり長時間中にいると貧血を起こしそうなので、庭園美術館の庭園で一休みしたあと、最後の目的地、目黒区美術館に向かうことにします。
目黒駅から権之助坂を降り、目黒川を右折すると、目黒区民センターの中に目黒区美術館はありました。
行った日は、「馬と近代美術」展が開催されていました。
目黒と馬? 目黒はさんまじゃないの?と言われるかもしれませんが、目黒は馬と関係があるのですよ。
今も目黒通りには、「元競馬場前」というバス停が残っているように、明治の終わりから昭和8年まで目黒駅の近くに東京競馬場があったのです。
その後、府中に移転したのですが、今も「目黒記念」というレースが残っていますね。
当時の競馬場の写真が何枚か展示されていました。
見渡す限りの原っぱと木造の建物。原っぱの向こうも深い緑が続きます。
今の目黒を知る人間にとって、昭和初期の目黒の競馬場は夢のよう。
展示品も馬にまつわる、江戸時代の浮世絵や近代の日本の油絵、彫刻、そして海外の巨匠の描いた馬の作品がありました。
馬という主題を人の目を通してどう表現しているのか、その違いがなかなか興味深かったです。
芸術のてんこもりの一日でしたが、ぐるっとパスの旅はまだはじまったばかり。
二ヵ月後にオイラはどう変わるのか、楽しみにしています。
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