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府中ウォーキングストーリー with 府中市美術館、府中市郷土の森

 こんにちは。

 ぐるっとパスのお散歩ネタもいよいよ最後の2回となりました。

 以前は、クーポン券でたっぷり太った帳面も、いまやペラペラ。ミュージアムめぐりでかなり忙しかったですが、忘れられない思い出になりそうです。

 …ということで、その思い出にさらに厚みを持たすべく、府中を旅してきました。(行ったのは去年ですので、念のため)

 府中市には、美術館や郷土の森といった見逃せないミュージアムスポットがあるそうなんですよ。

 しかも、プラネタリウムまでぐるっとバスだけで見られるとか。おお、「The Stardust Memory」~♪

 もう何十年も、プラネタリウムを見ていないオイラとしては、久しぶりにバーチャルリアリティな星空散歩に期待して出かけました。

 まず向かったのは、府中市美術館です。

 京王線の東府中駅から行くと近いみたい。

 駅前から一直線に続く道を歩いていたら、同じ方向へ向け歩道をひた走るベビーカー軍団に遭遇しました。

 その数は、20台を下らないでしょうか。

 もちろん赤ちゃんがベビーカーを運転しているのではなく、おかーさんやおとーさんが小走りに押しているのですが…。

 オイラもわりと早足ですが、横からすごいスピードで追い越してゆくベビーカーもありました。

「へい、おじさん、タラタラ歩いてると、怪我するぜ」と赤ちゃんが横目でオイラを挑発します。

 まさか、これからオイラが向う府中の森で、族の集会があるのかも。

 少しビビりながら歩いてゆくと、ベビーカー軍団は府中の森芸術劇場へ吸い込まれてゆきました。

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 劇場前の看板を見たら、「しまじろうのクリスマスコンサート」とあります。

 係の人たちが、「開始時間が迫っております」とハンドマイクでアナウンスしていました。

 そういうわけだったのですね。

 芸術劇場前の喧騒を抜け、府中の森公園へ足を踏み入れます。

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 紅葉で彩られた林の中を、落ち葉をサクサク踏みながら歩くという秋の醍醐味を満喫しました。(行ったのは去年ですので、念のため)

 府中市美術館は、赤と黄色のグラデーションが美しい林の中にあります。

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 オイラが行った日は、「府中千年」というタイトルの企画展が開催されていました。

 府中というネーミングは、律令時代に国府が置かれていたことに由来するのだとか。

 武蔵の国といえば、現在の東京都と埼玉県に川崎市や横浜市の一部を加えた広大な土地ですよ。

 今でこそ、東京郊外にあるベッドタウンのひとつになっていますが、千年以上前には、東京都庁と埼玉県庁と川崎市役所が一緒になった役所がここに置かれていたのですね。

 当然、当時から引き継がれてきた貴重な文化財がたくさんあるはず。

 そういった地域で育まれてきた様々な「かたち」を紹介するというコンセプトらしい。

 たとえば、縄文土器、飛鳥時代の遺物、鎌倉時代の狛犬、そして江戸から現代の美術作品など、さまざまなジャンルの品々を一堂に集めた展覧会だということでした。

 歴史と伝統のある街だからこそできるのですな。

 常設展では、黒田清輝、青木繁、村山槐多など有名な作家の絵画もみることができました。

 ネームバリューは十分なのだけれど、小粒な作品が多かったような。

 むしろ、さほど有名ではなくても、最近の作家が描いた入魂の作品のほうに心が奪われましたね。

 美術館の中には、同じフロア内に牛島憲之記念館も併設されています。

 牛島憲之という人はこの美術館に来るまで知らなかったのですが、東京芸術大学教授などを歴任して、文化勲章を受章した超一流の画家だったらしいですね。

 しかも、97歳という長寿を全うしたという点も驚きました。

 画風は、一言でいうと風景画を柔らかな色調で表現した抽象画というのでしょうか。色調と曲線が見る人によってはメルヘンチックな気分になるかもしれませんね。

 オイラはどちらかというと写実画のほうが好きですが、妙に引き込まれました。

 若いころは写実画をよく描かれていて、中年以降にだんだんと抽象画の世界へ入っていったみたい。

 多くの画家が、そういう経過をたどると聞いたことがありますけれど、この人の場合は40歳前後に作風がかなり変わっているのがわかりました。

 調べてみたら、人生の転換点となるエピソードがあったみたい。

 画家の作風の変化から、その人生をたどる絵の見方もなかなか興味深いものだと思いました。

 府中市美術館を出て、ここからひたすら歩いて府中市郷土の森へと向かいます。

 地図で見るとかなり距離がありますが、いいお天気だし、変化に富んだウォーキングコースなのであまり苦になりませぬ。

 京王府中駅前を抜け、甲州街道へ向かって歩いてゆくと二本の大木を従えた巨大な鳥居が目に飛び込んできました。

 ここが武蔵野国総社といわれる大國魂神社。

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 かつてこの辺りに武蔵野国の国府が置かれていて、この場所は国司が国内の祭政を司った斎場だったらしい。

 その後、鎌倉幕府から徳川幕府に至るまで代々幕府からも厚く遇されてきたのだそうな。

 駅前から大國魂神社へ続く大通りの両脇に植えられているケヤキ並木は、前九年の役、平定の際に源頼義・義家父子が、ケヤキの苗千本を寄進したのが始まりだそうですね。

 由緒正しき神社なので、お願い事を思いつく限り念じました。

 しっかりお参りしたあと、いよいよ郷土の森目指して歩きます。

 途中から自転車と歩行者専用の遊歩道ができていて、快適な気分で歩くことができました。

 さて、府中市郷土の森は、府中の自然と文化をテーマとした市立博物館。

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 森というネーミングがつけられている通り、14haの園内には梅園やよく手入れされた林、芝生広場、それに江戸後期~昭和初期の復元建築物も多数あります。

 それにプラネタリウムも。

 入り口で、ぐるっとパスを出して、プラネタリウムの時間を予約したあと、まず園内の復元建築物から見学することにしました。

 まずは入り口そばにあるのが、旧府中尋常高等小学校校舎。

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 この校舎は、昭和10年9月の建築とか。昭和54年までの間、市内で活躍していたのですね。

 少し狭いと思ったら、中心部分だけ残したみたい。近代教育のあゆみの展示や昔の教室の再現などがありました。

 オイラが通った小学校の校舎はまだ当時のまま残っていますが、床はコンクリでした。床のフローリングが逆にセンスの良さを感じますね。

 木の机やだるまストーブが懐かしかったです。

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 日直当番のときは、朝早く来てストーブに薪やコークスを入れた記憶があります。

 隣にある旧田中家住宅は、府中宿の大店だった建物とか。

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 間口はそれほどでもないですが、街道沿いの古い商家だけあって奥が深いですね~。

 立派なお屋敷だなと思ったら、明治天皇の休憩所や宿所として利用されたこともあるそうです。

 御座所として使われた奥座敷も残されていました。

 今でも明治天皇が訪れた場所は国内に多数残っていますが、庶民の家にも訪れているのは驚きです。

 旧田中家住宅の向かいにあるのが、旧島田家住宅。

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 地方を歩いていると、たまにこのような古い店蔵に出会うことがありますね。

 二階へも上がれるのですが、手すりもないし、狭いし、一段が高いし、で降りるときは少し怖かったです。

 急いでいたら、転げ落ちる人が続出したのではないか、と…。

 メタボから脱却したからわりとスムーズに降りられましたが、太っている人は上り下りが厳しいかも。

 明治時代の建築らしいですが、昔の人はスリムで背が小さくて、運動能力が高かったではと想像できました。

 こちらの洋館は、旧府中町役場庁舎。

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 大正時代の建築で、表は洋風なのですが、裏側に和風の建物が接続しておりまする。

 当時の大正デモクラシーの雰囲気を伝えるくれる建築物だそうですが、役場といっても銀行の普通の支店くらいの大きさです。

 町長の部屋がたぶん4畳半くらいの広さで、三方がガラス張り。

 入り口を入ると誰でも町長の仕事ぶりを観察できるのは、フレンドリーでいいと思いました。

 和室の宿直室のほうが広くて、すぐそぱに炊事場が設けられており、町役場の人たちのアットホームな雰囲気が伝わってきます。

 2階は、今の町議会の議事堂の役割を果たしていたそうな。こちらもそれほど広くはなく、当時の町の規模がうかがえました。

 こちらの旧府中郵便取扱所は、今の郵便局。

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 当初は、普通の民家の部屋を改造して郵便局にしていたのですね。

 ほかには、江戸時代後期の茅葺屋根の民家や長屋門が移築されていました。

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 古い建築物と美しい紅葉が眺められて、お得感最高でしたね。

 梅園にも行ったのですが、当然梅は咲いていないし、なぜか小さな虫のウヨウヨ飛んでいて閉口しました。

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 なぜ閉口したかというと、口を開いていたら小虫が口の中に飛び込んで来てしまい、うわっ、キタネェ、ペッペッという羽目になったから。

 そこでお口直しに、プラネタリウムへ。

 平日だったためか、広い館内に、入場者が十数人とまさに貸しきり状態。

 美しい星空と美しい音楽で至福のひとときを、と思ったのですが、始まってすぐ後ろのオヤジがものすごいいびきをかいて寝ているのです。

 リクライニングシートでゆったりできますからね。

 うるさいな、と思っていたらオイラもいつの間にか、夢の中へ。

 ガーガー、ゴーゴー、という轟音を立てながら疾走する銀河鉄道に乗りながらまどろむ夢を見たのでした。

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