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成東もとい山武市 ウォーキングストーリー

 こんにちは。

 オイラは十代の頃から、関東地方を中心に歩きまわっています。

 神奈川県東部や埼玉県南部に関しては、かなり詳しいかも。

 一都三県に関しては、まだ行ったことがない場所を探すのが大変になってきました。

 やっぱし、♪知~らない街を歩いてみた~い♪
 
♪どこか遠~くへ行きた~い♪


 …ですよね。

 まだ見たことがない街を歩き、その街に暮らす人たちの息吹を感じるのも旅の醍醐味のひとつ。

 自然豊かな山や海もいいけれど、歴史ある地方都市により魅力を感じます。

 プラス、城跡があったら、もう最高っす。

 でも、そんなオイラの旅愁をかきたてる場所が、近場では少なくなってきましたぁぁぁぁぁ~

 ところが、関東の地図を眺めていて、オイラは千葉方面にはあまり行っていないのに気がつきました。

 内房と言われる東京湾沿岸部は、鋸山まで。そこから先の館山方面には足を踏み入れておりませぬ。

 外房に至っては銚子と勤め人時代、社員旅行で行った九十九里浜までなのでした。

 内房と外房に挟まれた内陸部は、オイラの要求を満たしてくれる街も、まだまだたくさんありそう。

 たとえば、大多喜や久留里には城下町としての風情と城跡が残っているとか。

 それはもう少し先の楽しみに取っておいて、お気軽に日帰りできる場所はないだろうかとして見つけたのが、成東。

 成東は、なるとうと読み、成田の東という意味でつけられた地名でしょうか。

 どうして読み方を知っているかと言うと、成東高校を知っているから。

 かつて中日ドラゴンズの抑えのエースとして活躍した鈴木孝政の母校なのですね~。

 とくにファンではありませんでしたけど、高校時代顔がクリソツな友人がいて、みんなでからかったから覚えているのでした。

 それはともかく、成東城をはじめいくつか見所もあるらしい。

 …ということで、5月のはじめの休日。オイラはJR総武本線成東駅へ降り立ちました。

Ts363227

 いつものように駅で、街の情報を仕入れようとすると、成東町ではなく山武市と住居表示がある。

 やまたけし?

 聞いたことのない地名。近くの観光案内所で観光マップを手に入れると、「 Nostalgia Land Sammu City 」と書いてありました。

 サム?そのとき、trfのサムの顔が浮かんだのはオイラだけでしょうか。

 後で聞いたら、山武市は「さんむし」と読みらしい。

 おととしの3月に、いわゆる平成の大合併でできた市なのですな。

 でも、市の由来は郡名の山武郡(さんぶぐん)からだそうなんですよ。

 歴史的には、さんむという読み方のほうが古いそうなんですが、果たして山武を「さんむ」と読める人がどれくらいいるのだろうか、と…。

 名前はオイラにとってあまり関係ないことなので、さっそくタウンウォッチングを開始します。

 まず向かったのが、波切不動尊。

Ts363230

 遠くからでもこの朱塗りのあざやかな建物が目を引きました。

 露出した大岩の上にダイナミックに突き出るような形。清水の舞台を小さくしたような外観ですな。江戸時代に改築された建物を現代まで改築を加えながら守り続けてきたのですか。

 ちなみにこれを、懸崖造りというらしい。

Ts363234

 正式には、「長勝寺」と言うそうですが、江戸時代、漂流した漁船を寺の灯りが導いて、無事に難を逃れたことから「浪切不動」と呼ばれるようになったとか。

 確かに、急な階段を上って本堂から下を見下ろすと、成東の街が一望できました。
 
 遥かかなたに、太平洋の大海原がぼんやり霞んで見えます。

 本堂に安置されている不動明王は、奈良時代の僧行基が彫ったと伝えられ、社殿の背後には、千葉県天然記念物に指定されている石塚の森という自然林もありました。

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 波切不動尊の後ろにそびえる小山が気になります。

Ts363242

 これはいわずと知れた成東城跡っすね。

 さっそく、喜び勇んで城攻めに取り掛かりました。

 城跡を取り巻く細い水路。

Ts363263

 今ではとても堀の名残だとは思えませんけど、城のまわりをぐるっと取り囲んでいる。

 水の手は当時もあったのでしょうね。やはり堀があったのではないか、と…。

 住宅街から細く暗い林道に分け入ります。かなり急な上り坂。

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 標高はそれほどありませんけど、山城っぽい雰囲気は感じました。城が築城されたのは、足利義満が将軍だった頃らしい。

 戦国時代の頃は、この辺りに勢力を誇っていた千葉氏の一族が城主を勤めていたのですか。

 道は急でしたけど、ほどもなく頂上に到着。

 広場になっていて、愛宕曲輪(推定本丸)の表示があります。いきなり本丸っすか。

Ts363251

 ここから見る眺望も最高でした。不動尊よりも若干高いみたい。

Ts363248

 本丸は、それほど広くはないけれど、戦国時代の実戦的な城はこんな感じですね。本丸は広くてはいけないという意見もあったようで、それにしてはなかなかの広さ。40メートル四方はあるのでしょうかね。

 本丸のまわりには土塁。

Ts363252

 場所によっては深い空堀もまわりにあったりして、当時の姿を想像できました。

 当時の土橋と思われる道をたどって城の内曲輪(推定二の丸)へ。

 本丸と二の丸との間には、空堀を二つ越えないといけなくてなかなか堅固です。

 難攻不落の山城とは言えませんが、行って損はないお城ですね。

 山城というより、平山城でしょうけど…。

 城跡を堪能したあと、道なりに進んで少し下ると元ぜん寺。

 藤の花などいろいろな花が咲き乱れて美しい寺でした。

 そこから成東城址公園の山裾を回りこむように歩き、成東病院の前を過ぎ、東金線の踏切を越え、水田地帯に向かいます。

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 こんな広々とした水田を見たのは何年ぶりだろうかと思いました。

 かわいらしい稲が水田からちょこちょこ頭を覗かせています。水の中からはカエルの鳴く声も聞かれました。

 気持ちいい田園散歩で着いたのが、食虫植物群落地。

Ts363272

 ここは、モウセンゴケやイシモチソウなど昆虫を捕らえて栄養源にする食虫植物を身近で見ることができるのだとか。

 日本初の天然記念物にも指定されているらしい。

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 生物など理科系の苦手なオイラにとって、ただの原っぱにしか見えないのですが、ボランティアの人たちが熱心に説明してくれました。

 食虫植物群落地から立て看板をたよりに次の目的地まで快適なウォーキングコースでした。

 成東もとい山武は、『野菊の墓』で有名な明治時代の作家、伊藤左千夫の生まれ故郷だそうなんですよ。彼の生家も残っているらしい。

 伊藤左千夫といえば、先日東京亀戸のお墓にお参りしたばかり。なんとなく因縁を感じましたね。

 生家へ行く途中、伊藤左千夫の両親の墓もありました。

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 そして、生家の隣には、山武市歴史民族資料館。

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 行った日は、ちょうど伊藤左千夫の作品展が開催されていました。

 「野菊の墓」を書いた作家ということで、文学青年っぽい優男を想像してしまいますが、猪首でいかつい顔をしたおじさんの写真を見て、驚いている見学者たちが多かったですね。

 元牛乳屋さんだったということは初めて知りました。事業が軌道に乗ってから、歌人として正岡子規などとも交流ができたみたい。

 歌集の同人や編集をするなど歌人として活躍する機会のほうが多かったのでしょうか。

 でも、伊藤左千夫が後世に大きな名を残したのは、43歳のとき書いた「野菊の墓」があったからかも。

 発表当時、夏目漱石が激賞した手紙の文章が紹介されていました。

 それと、松田聖子主演の『野菊の墓』のポスターやパンフレットも。

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 でも、野菊の墓のストーリーより、聖子ちゃんのおでこのほうが話題をさらってしまったようですが…。

 ザ・ベスト10に民子の衣装で出演したとき、久米宏が聖子ちゃんのおでこを見て、「ギャハハハハハハハハハ」と笑っていた声が今でも耳に残っていますね。

 それはともかく、伊藤左千夫の生家。

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 実家は農家だったそうですが、庄屋とまではいかなくても組頭クラスの立派な家ですね。

 庭には、左千夫が東京本所で暮らしたときの茶室も移築されていました。

 帰りは、野菊路を通って駅へ向かいます。

 市役所の前に、伊藤左千夫記念公園がありました。

 そこには、民さんと政夫の銅像が…。

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 ここまで伊藤左千夫で盛り上がっているのなら、山武市よりも、野菊市とか、左千夫市のほうがインパクトあったかも、と考える今日この頃の旅でした。

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