« 2011年2月 | トップページ | 2011年7月 »

はじめての避難所体験

 こんにちは。

 11日の大地震には驚きましたが、今日も余震が続いています。

 テレビを見ると、信じられないような映像が、次々に目に飛び込んできます。

 11日は、リアルタイムで地震の揺れを感じたのですけど、まさかこんな大災害だとは思いませんでした。

 私事で恐縮ですが、地震のあった午後2時46分、オイラは東京立川市の住宅街を歩いていたのです。

 突然、目の前が大きく揺れたので、貧血でも起こしたのか、と。

 そのあと、一軒の住宅から、「おおおおおお~」と雄たけびをあげながら、外へ飛び出してくるお兄さん。こっちが身構えてしまうほどの迫力でした。

 工場から、パートのおばさんたちも青ざめた表情で外へ走り出てきます。

 そのときはじめて地震だと気づいたのです。外を歩いていたから、あまり衝撃は感じなかったような。

 あとで、その場所は震度4だったと知りました。

 震度4といえば、オイラの決して短くない人生で経験した、震度のタイ記録ですよ。

 これは、電車が混むかもしれないから、早く帰ろう。

 そのときは、まさか都内の電車が完璧にストップするなんて思いもしません。

 急いで青梅線の中神という駅へ行くと、改札に貼紙があって中に入れないのです。

 青梅線がストップしても立川へ行けば何とかなるだろうと思い、パスがなかったので4キロの道のりをテクテク歩きました。

 途中、電車が走らないのに踏み切りの遮断機が降りっぱなしになっていたり、鉄橋の上で乗客の乗っていない電車が立ち往生したりしている光景を目にしたりして、だんだん事態の深刻さが伝わってきました。

Ca3a3431

 
 そうやく立川駅に着くと、改札のシャッターが下りていました。まわりには鈴なりに行き場を失った人たちで通路はあふれています。

 サラリーマンや高校生にまじって、今日が卒業式なのか、着物にはかまを穿いたおねーさんたちも。

 復旧に相当な時間がかかると、場内アナウンスが告げています。

 相当な時間って、2~3時間くらいかな。

 近くの昭和記念公園に避難所があるので、そちらへ進んでくださいとしきりにアナウンスが勧めるので、待ち時間をつぶすつもりで行くことにしました。

 ちなみに昭和記念公園は、昭和天皇の在位50年を記念して開設された東京都立川市と昭島市とに跨る国営公園。150ヘクタールの広大な面積があります。

 ところが、入り口付近には5~6人しか歩いていません。

 ホントに、避難所があるの?

 勧められて来たものの、なんだか不安になってきました。

 とりあえず、奥のほうにある近代的な建物まで行ってみて、誰もいなかったら戻ろうと考え、前に進みます。


Ca3a3443

 入り口の自動ドアを抜けて中へ入ると、椅子に腰掛けている多くの人たちが目に入りました。

 結構、大勢いるみたい。

 かなり奥行きのある建物ですが、行けども行けども人が途切れることがありません。

 集まっているのは、サラリーマンやOL、年配の人たち、大学生、高校生などバラエティに富んでいます。それから、赤ちゃんと一緒のお母さんたちも。

Ca3a3436

 午後8時過ぎに、ケータイで交通情報を確認したら、JRの復旧は本日中には無理とのことでした。

 立川から東京へ行く電車のルートはいろいろありますが、現時点で動いているのは多摩モノレールだけ。

 モノレールってすごいですね。羽田モノレールも地震の後動いていたと言いますし、地震に強い乗り物なのでしょうか。

 それはともかく、この時点で避難所での宿泊が確定してしまいました。

 うう、泊まるつもりじゃなかったので、飲み物や食べ物を何も買ってこなかった。

 のどが渇いたよ~。

 …と思ったら、「アサヒカルピスビバレッジ株式会社さまのご好意で、皆様にミネラルウォーターを一名様に一本をお配りいたします」との有難いアナウンスが…。

 おお、いつも飲んでいる富士山のバナジウム天然水じゃ。

Ca3a3438

 困っているときは、こういうさりげない親切はありがたいもの。

 その次は、毛布が配られました。年配の人、赤ちゃん連れの人、そして女性が優先ですが、大量に確保されているようで、オヤジたちにもすべて行き渡ったのでした。

Ca3a3439

 しかし、夜も更けるとお腹もすきまする。

 ひもじいよ~、と思ったら、何と、軽食までふるまってくれたのです。

 それは、パックに入ったおこわ。

Ca3a3434

 たっぷりの量で食べきれず、翌朝の朝食にもなったのでした。

 さて、夜も更けて、寝る人が増えてくるのですが、絨毯の敷かれたエリアで横になる人、椅子にすわったまま転寝をする人、フロアに直接横になる人など、さまざまな寝方をチョイスします。

Ca3a3437

 絨毯のコーナーは女性たちに譲ろうと、オイラは椅子に座ったまま毛布に包まって寝る道を選択しました。

 でも、腰が痛くなってきて、とても座ったままでは眠れませぬ。

 仕方なく、フロアに毛布を敷き、その上に寝てみたのです。

 やっぱり、寝るときは横になるのが一番とそのときは思ったのですが、下と上から冷やされて寒く、とても眠れたもんではない。

 しかも、起き上がったら、全身に電気が走るような痛みが…。

 これはいかんと、午前3時からは椅子を二つ並べて、足を伸ばして座り、毛布にくるまって眠ろうとしたのです。

 しかし、この姿勢も途中から腰が痛くなり、とうとう一睡もできないまま朝を迎えたのでした。

 こんな状況でも、いびきをかいて寝ている人が何人かいましたからね。どんな場所でも寝られる人ってうらやましいっす。

 でも、みんな朝起きてトイレに行くときは、ロボコップみたいなぎこちない歩き方になっていました。

 やはりいくら毛布があっても、硬いフロアに寝るのはものすごく大変だと身をもって感じました。

 たった一晩で、もうギブアップです。

 帰りの電車も200パーセントの混み具合でしたし…。

 これは、今朝の新宿駅の風景。

Ca3a3446

  こんなに混んでいる駅や電車を見たのは十何年ぶりですかね。


 あとで調べてみると、オイラが泊まった「みどりの文化ゾーン・花みどり文化センター」での避難者は最大で約600人、毛布が700枚、アルファー米が1000食分だったそうな。

 オイラは、眠れないと言いつつも、ずっと横になっていたわけでありますが、昭和記念公園のスタッフの方たちは、一晩中寝ないで避難者のサポートに当たっていたのには頭が下がりました。

 本来は、サポートされる側ではなく、サポートする側にならないといけないのだけれど。

 東北や長野の被災地でも、多くのスタッフやボランティアが活躍しているのでしょうね。

 被災されている方は、避難所でこれからも長く寝泊りすることを余儀なくされるケースが多くなると思います。

 阪神大震災のときも、長い間避難所で生活しなければいけなかったそうですし。

 今回も、苦しい避難所での生活が続くのではと思うと、胸が痛みます。


 被災者の方たちへ深くお見舞い申し上げます。被災された地域の復興を心から祈っております。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

決定!私が読んで面白かった小説大賞 2010年度

こんにちは。

 最近、人の名前がすぐ出てこなかったり、当意即妙にボキャブラリーが思い浮かばなかったりすることがあるんですよ。

 そろそろオイラも老化に伴う脳の委縮がはじまったか、と自分の不幸を嘆きつつ、気がついたら涙ぐんでいたのでした。

 ところが、涙があとからあとからこみあげてくる。

 そして鼻水も。

 そして止めには、くしゃみの三連発。

 なんと、気づかないうちに、花粉症の禁断症状が現れているのでした。

 ひたひたと忍び寄るミクロの悪魔の脅威におびえる今日この頃。

 脳の活動の低下が、花粉によるものなのか、老化によるものなのかとても気になります。


 …ということで、かなり間が空いてしまいましたが、今日はいよいよ「私が、読んで面白かった小説大賞」の発表です。

 思いついたときにやっているので、第何回目か、わからなくなってしまいましたが…。

 ノミネート作品をもう一度掲載しますと、以下の通りです。

1月
 ナイチンゲールの沈黙 海藤尊
 いっしん虎徹 山本兼一
 裁判員法廷 芦辺拓
 火の路 松本清張
 雷神の筒 山本兼一


2月
 花の下にて春死なむ 北森鴻
 霧の旗 松本清張
 考古学と古代史のあいだ 白石太一郎


3月
 影の地帯 松本清張
 赤朽葉家の伝説 桜庭一樹
 切羽へ 井上荒野
 サクリファイス 近藤史恵
 
4月
 Dの複合 松本清張
 白鷹伝 山本兼一
 老後がこわい 香山リカ
 シャドウ 道尾秀介
 最後のディナー 島田荘司

5月
 奇跡島の不思議 二階堂黎人
 Gボーイズ冬戦争 石田衣良
 背負い富士 山本一力
 夜のピクニック 恩田陸
 光る鶴  島田荘司


6月
 白い家の殺人 歌野晶午
 新世界より 貴志祐介
 ブゥードゥーチャイルド 歌野晶午
 果断 今野敏
 鷺と雪 北村薫

7月
 隠蔽捜査 今野敏
 利休にたずねよ 山本兼一
 非正規レジスタンス 石田衣良
 鴨川ホルモー 万城目学
 心を動かす話し方 D・カーネギー


8月
 秀吉の枷 加藤廣
 身代わり 西澤保彦
 乳と卵 川上未映子
 八月の路上に捨てる 伊藤たかみ
 ひとり日和 青山七重
 ソリトンの悪魔 梅原克文


9月
 密室殺人ゲーム2.0 歌野晶午
 完全恋愛 牧薩次
 ポトスライムの舟 津村記久子
 時がにじむ朝 ヤン・イー
 ユージニア 恩田陸

10月
 乱反射 貫井徳郎
 狼花(新宿鮫) 大沢在昌
 制服捜査 佐々木譲
 覇王の夢 津本陽
 トルストイを語る 小西増太郎


11月
 剣と薔薇の夏 戸松淳矩


12月
 おひとりさまの老後 上野千鶴子
 密室殺人ゲーム王手飛車取り 歌野晶午
 ルパンの消息 横山秀夫


 見てお解かりの通り、オイラは結構評判になった本や芥川賞や直木賞の受賞作を読むことが多いっす。

 ちなみに、この中に、両賞の受賞作は、次の8作品も含まれているのですよ。

<直木賞受賞作>
 切羽へ 井上荒野
 鷺と雪 北村薫
 利休にたずねよ 山本兼一

<芥川賞受賞作>
 ポトスライムの舟 津村記久子
 時がにじむ朝 ヤン・イー
 乳と卵 川上未映子
 八月の路上に捨てる 伊藤たかみ
 ひとり日和 青山七重

 一流の選考委員が太鼓判を押した作品だから、破綻が無く、新しい文学表現の可能性が期待できるのは当然。

 ただ、オイラの選考基準は、たんに素人のオイラが読んで面白かったかどうか。

 文学賞の金看板が、果たしてランクインするのかどうか、注目が集まります。

 それから、おひとりさまの老後とか、老後に関する本も注目を集めましたね。それらを読んだのは、いずれ老後に関する本を書きたいと思ったからっす。

 原稿を書けば知識も増え、ゆくゆくは自分の老後対策にもなるのではないか、と…。

 本は実現するかどうかわかりませんが、今年は介護問題をテーマに取り組む機会も増えそうです。

 いろいろ能書きを並べていると先に進みませんので、さっそくランキングの発表に入りましょう。いつもはベスト5でお茶を濁していましたが、今年は有力作品が並んだということで10作品を取り上げました。 


 それでは、清水の舞台から飛び降りる気持ちになって、ビジベンが完全自己チューで選ぶ「私が、去年読んで面白かった小説大賞 2010年」は以下のように決定しましたぁぁぁぁぁぁぁ~。 


 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ… ( ← ドラムの音?)


第十位 サクリファイス 近藤史恵
 
 物語の疾走感と読後感がすがすがしい青春ミステリ小説。
 英語力最悪のオイラは、恥ずかしながらサクリファイスの意味を失念していました。
 サクリファイスとは、犠牲という意味なのですな。読んでみて、その言葉と小説の関連性がよくわかりました。

 自転車ロードレースが舞台なのですが、一般人にはなじみの薄いプロの世界がよくわかります。しかも、自転車ロードレースの勝ち負けは、エース一人を勝たせるために、それをサポートするアシストたちの犠牲があって成しえるのですか。

 この本を読むまでは、そんな深い精神性のスポーツだとは思いませんでしたね~。

 この本の魅力は、スポーツ青春小説とミステリの融合が見事に図られている点でしょう。

 ミステリとしても良くできていますけど、ゴクゴク飲める清涼飲料みたいな雰囲気。実は、読んで一年経つとあまり内容を覚えていないっす。ズドンと心に響き、深く考えさせる小説が好みの人にはちょっと物足りないかも。 


第九位 果断 -隠蔽捜査2- 今野敏

 山本周五郎賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞した警察小説。警察小説は、新宿鮫とか、佐々木譲とか、横山秀夫とかの作品をいろいろ読みましたけど、この小説は主人公がなかなかユニークで面白かったっす。

 警察庁から大森署に左遷されたキャリアの署長が、ある意味、天然のキャラにまわりの警察関係者が振り回される姿が面白い。常識的なことを言ったりやったりしているのに、警察のなかでは変わり者的な見方をされたり。

 民間の一般企業でも、一見、合理的な経営を行っているようで、外部のさまざまなしがらみで振り回されることって結構ありますね。

 本来は、警察庁長官官房総務課長まで勤めた人物が、警視庁の署長になることはありえないらしいのですが、警察のディテイルがしっかり書き込まれているから、全然違和感なく読み進めることができます。本来、エリートは世間知らずで使えないというシチュエーションが多いのですが、世間知らずだからこそ、しがらみがなく合理的に仕事が行えるという視点が興味深かったっす。


第八位 鴨川ホルモー 万城目学

 映画化されるなど話題を呼んだ作品ですが、このわけのわからないタイトルの小説を読むのは勇気がいりました。

 鴨川のほとりのホルモン焼きの店にまつわる物語だろうか、とか思ったんですよ。でも実際、読んでみると、いい意味で裏切られましたね。

 ホルモーなる言葉は、この小説のなかだけで通用する言葉なのですな。…というより、このありえない設定を、真面目にディテイルにこだわって書き続ける力技に圧倒されました。

 京都の実際にある大学名がいくつも出てきます。また住んだ人でないとわからない京都の路地裏の雰囲気やさまざまな伝統的なお祭りも書き込まれ、京都の魅力も堪能できるところは好感が持てます。何と言っても、魅力的なキャラと台詞回し、物語のテンポがいいですね。大好きな京都で、こんな刺激的な学生時代を送ってみたかったっす。


第七位 密室殺人ゲーム王手飛車取り+密室殺人ゲーム2.0 歌野晶午

 変わった趣向の連作本格推理短編集。本篇と続編の二冊ですが、合わせ技一本でランクインです。

 作者の歌野晶午には、かつて「葉桜の季節に君を想うということ」でやられた~と思いましたね。途中まで、平凡な駄作だと思って読み続けていると、途中、思ってもみなかったどんでん返しが…。

 今回のオイラのブログの前ふりにも関係しているのですが、今まで読んだことのないトリックが新鮮でした。

 トリックにこだわる作者らしく、この二冊の本も、なかなかハイレベルなトリックに驚かされます。5人のミステリーファンが、インターネットのチャット上で殺人推理ゲームを出題し合うという設定ですが、なんと出題者はホントに殺人をしちゃうのですよ。

 文章はうまいのですが、作者自身トリックを披露するためだけに作ったと思われる潔さを感じました。

 自分の考えた独創的トリックで自己実現をはかるためだけに殺人を犯すという趣向も、今の時代では荒唐無稽と感じない恐ろしさがありますね。


第六位 心を動かす話し方 D・カーネギー

 この本は、今から約四十年前に和訳された『カーネギー 話し方教室』の新装版だそうな。何で小説大賞に実用書が、と思われるかもしれませんが、まあ、推理作家協会賞にSF作品が選ばれたり、ホラーが純文学の新人賞をとったりすることもありますから、いいのではないかと…。

 実は、ノミネート作品は全部図書館で借りて読んだ本なのです。著者や出版社から見たら、オイラは天敵のような存在ですけど、借りて読んだあと、あらためて買ったのはこの本だけなのですね~。

 手元に置いて、何度も読み返したいと思うほど、有益なことが書かれているのでした。1912年、ニューヨーク市の片隅で元セールスマンのD・カーネギーが「話し方教室」を始め、そのノウハウを書きつづった本が世界的名著になって現在も多くの人たちに読み継がれているのですな。

 この本を読むと、多くの聴衆の前で、自信をもって話す才能は誰でも備わっていると感じます。ノウハウの実例集は、そんじょそこらの小説より面白い。

この著者の「道は開ける」「人を動かす」を読むと、人生観が変わりますよ。


 …ということで、ブックレビューが長くなったので、今日は1位~5位の発表ができそうにありませぬ。

 リストアップはできているのですが、まだグランプリをどちらにしようか迷っていまして…。

 そういえばまだ、芥川賞、直木賞の受賞作はひとつもランクインしていませんね。

 いよいよ次回は、グランプリ作品の発表です。

 さて皆さんは、どの作品を大賞に押しますか?

Banner2_8 ← ブログ存続にご協力をお願いします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2011年2月 | トップページ | 2011年7月 »