最新作「よくわかる最新病の予防と治療」が出版されましたぁぁぁ~♪

 こんにちは。

 ご無沙汰しております。

 今年もいよいよ、花粉ネタから入らねばならない季節がやってまいりました。

 今年は例年よりも、花粉の飛散量が少ないとか。

 そこで、かなり期待はしていたのですが、しっかりと花粉症の禁断症状が現れている今日この頃。

 確かに、マスクや薬の進歩によって、確かに症状は多少抑えられるようになりました。でも、脳みそが花粉に溶けて行くような、どよ~んとした気分から免れることはできませぬ。

 何をするのも億劫なシーズンですが、これだけはご報告しなければならないと、必死の面持ちでパソコンに向かう次第です。

 それは…。

 「病の基本としくみ」の姉妹書が出版されましたぁぁぁぁぁぁ~


 タイトルは、『図解入門よくわかる最新「病」の予防と治療 病気の予防と治療を図解で学ぶ!医療のしくみ』です。

Photo

 本のキャッチフレーズをそのまま引用させてもらいますと…

「病気の仕組みと、治療や予防法を豊富な図表をつかって解説したオールカラーの入門書です。本書では、ビギナー向けに脳梗塞や肺炎、癌、アトピー性皮膚炎、白内障など、よく見られる病気に関して病気の仕組みを紹介し、さらに最新の治療法や予防法を紹介しています。病気の仕組みと治療法や予防を知ることで病気に打ち勝つためのヒントが得られます!」

 …なのですね~。

 
 出版されたのは、3月のはじめ頃だったのですが、花粉症に犯された頭で、紹介記事を書く勇気がなく、今までずれこんでしまいました。


 ショパンは、「別れの曲」が完成したとき、「かつてこれ以上美しい旋律を作ったことはない」と言ったそうな。

 オイラがショパンの気持ちを理解するなど、おこがましいのですけど、前作、「病の基本としくみ」が完成したときは、もう医療分野では、これ以上わかりやすい本を書く自信がないと思ったのです。

 しかしできあがってみれば、今回の本も、病気のメカニズムと予防・治療法をバランスよく配合できたと感じております。とくに最新治療もかなり盛り込むことができました。

 欲を言えば、もう少しトリビアを入れたかったことと、図解部分においてぎっしり情報を盛り込みすぎた感が無きにしも非ず。

 情報量を少し減らして気軽に読み流せる工夫もあってよかったのではないか、と。

 ただ、知り合いに見てもらったのですが、限られたスペースに幕の内弁当のように、見やすく、わかりやすく、ぎっしり情報を配置した本はとてもお得感があると言われました。



 今回も、前作同様、多くの人たちに読んでもらいたいと思っております。ご感想をお聞かせいただければうれしいです。

 
 お近くの図書館でもリクエストしていただければ幸いです。

 今後とも、よろしくご指導のほどお願い申し上げます。

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糖尿病って、どんな病気? with 日本振興銀行ノーリターン

 こんばんは。

 かなりご無沙汰してしまいました。

 日本振興銀行、やっぱし潰れちゃいましたね。

 去年の今頃、日本振興銀行のパンフを見て、あまりの定期預金金利の高さに食指がピクピク動いていたことを思い出します。

 普通預金に多少余裕資金があったので、やろーか、どうしようか、悩んだのです。金利は魅力だけど、パンフを読むとあまりにも胡散臭い。

 確か、定期の証書も通帳も発行せず、お金だけ銀行口座に振り込んでくれと書いてあったような。 

 もっとも、振興銀行も胡散くさいと思われることは覚悟していたようで、もし潰れても一千万円までなら国が補償してくれますよ、という趣旨のフレーズがあったのを覚えています。

 元銀行員からしたら、銀行の契約書ならともかく、ポスターやパンフレットにデカデカとこんなこと書くなんて信じられませぬ。

 いわば、ペイオフシステムを販促材料に使ったのですな。

 今回の破綻は確信犯だったといわれても仕方がないっすよ。

 それにしても、新銀行東京と言い、日本振興銀行と言い、エリートが自信満々で作った組織はどうしてこんなに脆いのか、と考えさせられます。

 両行に共通しているのは、エリートが上から目線で、資金も信用もない気の毒な中小企業を助けてあげようというポリシー。

 中小企業の発展に寄与するというポリシーは共感できますが、現場を知らないエリートが数字だけ見て、これはニーズがある、行ける!と思ったとしたら、あまりの短絡さに開いた口が塞がりませぬ。

 金利をあげれば、そこそこ預金は集まるかもしれませんが、融資先への営業という現実が彼らの頭の中からスッポリ抜け落ちている。

 貸したお金をキチンと返済してもらえる中小企業を一件開拓するのに、どれだけ時間と労力が必要か、やったことのない人はまったくイメージできないのかも。

 恐ろしいのは、現場を知らない世間知らずのエリートが、今の日本を動かしているということだと感じる今日この頃です。

 このままだと、延々と文章がつながっていきそうなので、今日は、「AYAちゃんの糖尿病事件簿」。

 今、気づいたのですが、前回で第一章がおしまいになったのでした。

 今日からいよいよ、「第二章 糖尿病って、何ですか」がはじまりま~す。

 その前に、前回まで更新が散発的で、何が言いたいのかよくわからなかったかもしれませぬ。

 そこで、第一章のポイントを以下にまとめてみました。御用とお急ぎでない方はご覧いただければ幸いです。


   < 糖尿病にならないためのチェックポイント1 > 

● 一般に、空腹のときの血糖検査が、110mg/dl以下、いつでも行える随時血糖検査では140mg/dl以下が「正常型」と言われている。また、空腹のときの血糖検査では、126mg/dl以上、随時血糖検査で200mg/dl以上なら「糖尿病型」と判定される。

● ヘモグロビンA1Cの検査は、過去1~2ヶ月の平均的な血糖の状態を知ることができる。一時的に節制して血糖値を下げても、長期間の血糖コントロールの状態がわかってしまう。正常値は、4.3~5.8パーセント。 

● 「正常型」と「糖尿病型」の中間を「境界型」と呼び、血糖値が上がり続けたままだと「糖尿病型」へ移行する。

● 血糖値は、多少高くても、自覚症状のまったくない人がほとんど。病気が進んで糖尿病になっても、よほど悪くならない限り自分が病気だとは気づかない。

● 糖尿病は、一度病気になると完全に治るということはない。一時的に血糖値が下がっても、一生自分で気をつける必要がある。

● 糖尿病になりやすい体質でも、その要因をシャットアウトすれば、糖尿病になる可能性をぐっと下げることができる。

● 血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化が進んで脳卒中や心臓病が起こりやすくなる。そしてさまざまな合併症を引き起こす。たとえば、糖尿病性網膜症で失明したり、糖尿病性神経障害で末梢神経が妨げられ、全身にさまざまな症状が現れたりする。また、糖尿病性腎症で腎機能が低下すると、最終的には「人工透析」が必要になる。

● 一日のカロリー摂取量と適正エネルギー量を知ることで、どの程度、一日に食べたらいいかの目安にすることができる。

● 唯一、体の血糖値を下げるホルモンはインスリンで、糖尿病はインスリンが不足したり、あっても働きが弱くなったりして起きる病気である。

● 人間の体は、そのたどってきた歴史から飢餓に強い省エネ設計になっていると言える。もともと少ないエネルギーでも動けるようになっているのに、現代では過剰なエネルギーを摂取したり、体を動かす機会も減ったりして、高血糖になる人が急増した。



 前回は「糖尿病とインスリンの深い関係」を取り上げました。

 今日が始めての方、この記事に興味のある方は、先に前回、前々回の記事をお読みいただければ幸いです。

 今日はその続きです。
 
 登場人物は、病院の院長先生と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。

 AYAちゃんは、将来、看護師になることを夢見る元気な女子高生。

 血糖値の上がったお父さんを救うため、糖尿病について勉強しているという設定でしたね。

 今日は、「糖尿病って、どんな病気?」が話題になります。

 それでは…。


第2章 糖尿病って、何ですか?


1.糖尿病ってどんな病気? ~ ブドウ糖の誘導係員が出勤しないと… ~


 私がインスリンについて長々と話した理由がやっとわかってくれたようだね。もう一度、糖尿病のメカニズムについて整理してみようか。健康な人の場合、食べ物は胃から腸に流れて消化吸収されるよね。食べ物の中には、脂肪とかたんぱく質とかもあるけど、エネルギー源となる糖分は肝臓に入ってからブドウ糖に変えられる。そしてそのブドウ糖の多くが血液に入って行くんだ。


● AYAちゃん「そうすると血糖値が上がってしまいますよね」


 上がりすぎた場合、体はそれに対処する必要がある。血糖値が高い状態の血液はすい臓にも流れてすい臓を刺激するんだ。そうするときっきも言ったように、すい臓のランゲルハンス島からインスリンという糖を下げるホルモンが出るんだよ。


● AYAちゃん「そういえば、サンダーバードの秘密基地も島にありましたよね。インスリンって、救助に向かうサンダーバード1号や2号の働きをするのか」


 ちなみに私は4号が好きなんだけど…。それはともかく、なぜインスリンによって血糖値が下がるかというと、このホルモンの力を借りてブドウ糖は、血液から細胞の中へ入るんだよ。つまりインスリンは筋肉に、ブドウ糖を取り込んでエネルギー源にするように指示するんだ。


● AYAちゃん「インスリンって、コンサート会場の入り口できちんと誘導してくれる係員さんみたい。私、よくライブコンサートへ行くんですけど、入口がたくさんあるとどこから入っていいかわからなくて、大混雑することがあるんですよ」


 うまいことを言うね。有能な係員がいれば、なかなか会場に入れなくて外でイライラ待っている必要はないわけだ。ブドウ糖が、スムーズに血液から細胞の中へ入ってくれないと、私たちは健康に生きてゆくことができない。とくに脳はブドウ糖しかエネルギーとして使うことはできないんだ。脳細胞は、私たちが起きているときだけじゃなく、眠っているときも常にブドウ糖が必要だからね。


● AYAちゃん「スムーズにブドウ糖が細胞に入っていけば、血液も糖分でぎゅうぎゅう詰めになることはないわけか」


 そう。でもブドウ糖がうまく細胞に入ってくれないと、血液は糖分が押し合いへしあいで大変な騒ぎになる。これが前にも言ったように高血糖の状態。逆にいえば、ブドウ糖が細胞にうまく入らない状態が糖尿病だ。


● AYAちゃん「それはインスリンという誘導係員に問題があるわけですか?」


 その通り。糖尿病は、インスリンというホルモンが減ったり、その働きが落ちたりしてくる場合に起きるんだ。その違いによって、糖尿病は4つのタイプに分けられるんだよ。


● AYAちゃん「そんなにあるんですか。知らなかったわ。どんなタイプがあるんですか?」



2.糖尿病にはどんな種類があるの? ~ 血糖値が高くなる仕組みによって、4つのタイプに分けられる ~


 まず、「1型糖尿病」と呼ばれるタイプ。これはさっき言ったすい臓のベータ細胞が破壊されて起きる病気だよ。結果としてインスリンの分泌量が少なくなってしまうんだ。


● AYAちゃん「えっ?どうして破壊されてしまうんですか?」


 たとえば、風邪や風疹、おたふくかぜなどのウィルスに感染して、自己免疫反応が起きるケースが考えられるね。ちなみに自己免疫反応というのは、本来自分の体を守る免疫の仕組みに異常が起こり、自分の体を攻撃してしまう反応だよ。


● AYAちゃん「それじゃ、この病気のタイプは、うちのお父さんみたいにカロリーの摂りすぎで高血糖になったわけじゃないのですね」


 そう。おたふくかぜや風疹などのウィルスが原因になる場合が多い。だから子供でも若者でも病気にかかるんだ。10歳ぐらいで発症することが多いから、以前は「若年性糖尿病」と言われたこともある。でも中年以降に発症することもあるから、「1型糖尿病」と呼ばれるようになったんだけど…。ただ、日本ではこのタイプはごく少数だよ。


● AYAちゃん「なるほど。うちのお父さんが気をつけなければいけないのはどのタイプなのですか?」


 それは「2型糖尿病」だね。日本でもっとも多いタイプだよ。40歳以上に多く見られて、食べ過ぎや運動不足、加齢や肥満などさまざまな要因が加わって発症するんだ。


● AYAちゃん「まさにビンゴですよ。うちのお父さんはほとんど当てはまります。ジムに通っているって言っても、最近はトレーニングの合間に休んでいる時間のほうが長いみたいだし…」


 それから忘れてはいけないのは、遺伝的な体質だね。AYAちゃんのおじいさんやおばあさん、お父さんの兄弟で糖尿病の人はいるかな。


 ( 次回はいつになるかわかりませんが、一応続く予定です )

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糖尿病とインスリンの深い関係 ~ インスリンが血糖値の管理人と呼ばれるワケ ~

暑中お見舞い申し上げます。

 地球温暖化の影響を骨の髄まで味わわされる酷暑が続いておりますが、お元気ですか?

 私事で恐縮ですが、オイラの部屋ではエアコンの調子が悪くて、午後11時なのに、室温34度、湿度85パーセントを記録。

 さすがに、これは人間が生存できる環境ではないと、故障続きのエアコンに見切りをつけ、楽天市場で新型エアコンを購入してしまいました。

 暑くてパソコンや読書ができないと悲鳴をあげて買ったのですが、エアコンが入って涼しくなると睡魔に襲われます。

 結局、過酷な環境でも、快適な環境でも、だらだら過ごしてしまう自分を発見するのでした。

 それはともかく、東京スカイツリーの高さがいよいよ400メートル越えを果たしたとか。

 前回貼り残した写真が何枚かあったので、在庫一掃セールで再びアップさせていただきます。

 スカイツリー本体だけではなく、まわりの風物とのコラボも面白いような気が…。

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 東京スカイツリーと北十間川

Ca3a2676

 東京スカイツリーと商店

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 東京スカイツリーと隅田川

 …ということで、今日はまたまたお久しぶりの、「AYAちゃんの糖尿病事件簿」です。


 前回は「一日の適正エネルギー量」という話題を取り上げました。

 今日が始めての方、この記事に興味のある方は、先に「心と体」のカテゴリの中にある前回、前々回の記事をお読みいただければ幸いです。


 今日はその続きです。
 
 登場人物は、病院の院長先生と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。

 AYAちゃんは、将来、看護師になることを夢見る元気な女子高生。

 血糖値の上がったお父さんを救うため、糖尿病について勉強しているという設定でしたね。
  
 今日は、「糖尿病とインスリンの深い関係」が話題になります。

 それでは…。


● AYAちゃん 「そういえばインスリンは、血糖値を下げるホルモンだって聞きましたけど」


 そう。人間の体には血糖が下がらない装置がいくつもあるんだ。人間の体にあるホルモンの多くは、血液中の糖分を上げる働きを持っている。唯一、体の血糖値を下げるホルモンがインスリンなんだ。


● AYAちゃん「えっ?インスリンだけが孤軍奮闘しているんですか?何だか気の毒ですね。体の中に援軍を派遣するような仕組みが、何でできなかったのかしら」


 それは私たちの体が、血糖値の高い状態を想定して作られていないからかもしれないね。人類が誕生してからつい最近まで、私たちの先祖は常に飢餓と戦ってきたんだよ。


● AYAちゃん「でも、藤原道長とか、糖尿で苦しんだ昔の人もいたんですよね」


 それは特権階級にあるほんの一握りの人たちで、ほとんどの人たちは贅沢な食事はおろか満足に食べられないことも多かった。狩りや採集をして食べ物を見つけていた大昔の人たちはもちろん、稲作が始まってからもたびたび飢饉に見舞われたんだ。


● AYAちゃん「そういえば江戸時代の飢饉は悲惨だって、日本史の授業で勉強したような。1日に3回食事ができるようになったのは、そんなに昔じゃないんですよね」


 そう。江戸時代あたりから、朝昼晩に食事をするようになったと言われている。それまでは1日2食だったそうだよ。明治、大正、そして昭和のはじめくらいまで、一般庶民は今みたいな高カロリーの食事を口にすることができなかった。現代人と同じグループの現生人類が現れたのは20万年くらい前だそうだけど、今みたいに好きなものが食べたいだけ食べられるようになったのは、ここ40年ぐらいじゃないかな。


● AYAちゃん「じゃ、人類は20万年も飢えに苦しんできて、ここ40年ぐらいに、急に誰でもお腹いっぱい食べられるようになったわけなのですか」


 もちろん、ダイエットだって言って、大昔と同じような食生活を送っている人もいるよ。だけどそういう人たちは自分の意思で食べないだけで、食べようと思えばいつでも好きなだけ食べられる。だけど、つい最近まで食べたくても食べるものがない時代がものすごく長く続いたんだよ。


● AYAちゃん「20万年のうちの40年というと、たったの0.02パーセントですよね。じゃ、私たちは人類の歴史で、自由に食べ物が手に入るほんのわずかな0.02パーセントの時代を生きているわけですね。幸せな時代だって感謝したいけど、お父さんみたいになっちゃう人もいるから心から喜べないわ。でも、あとの99.98パーセントの食べ物が自由に手に入らない時代の人たちの体は大丈夫だったのですか?」


 今より寿命が短かったし、病気に対する免疫力も弱かったんだろうね。だけど人類はその困難な状況の中で対応してゆくんだ。少ない食べ物の中で、たまに口にする食事のエネルギーを最小限利用し、残った分を次の食べ物を獲得するためのエネルギー源として蓄えるようになっていったんだ。その過程で、さまざまな「倹約遺伝子」を有するようになったと考えられる。


● AYAちゃん「そうか、だから私たちはちょっと食べるとすぐ太るし、いくら動いてもなかなかやせないんだ」


 その通り。人間の体は、飢餓に強いように省エネ設計になっていると言ったらいいかな。もともと少ないエネルギーでも動くようになっているのに、大量のエネルギーをどんどん摂取してしまう。


● AYAちゃん「すると体に脂肪がどんどんついてしまう」


 しかも、車や家電製品が社会に普及したことによって、私たちの生活はますます便利で楽になり、貯蔵されたエネルギーを使う場所がなくなってしまった。


● AYAちゃん「人間の体の中で、血糖値が上がる仕組みが充実しているのは、人類のたどってきたつらく厳しい過去があるからなのであった」


 なんだかドキュメンタリー番組のナレーションみたいになってきたぞ。最近は、血糖値の高い状態に危機感を募らせているけど、その当時は血糖値が低い状態にいかに対処するかが最重要課題だったんだ。血糖値が低い状態が続くと、脳は機能障害を起こして意識が朦朧となってしまう。 さらに血糖値が下がると昏睡状態になったり、悪くすれば死んでしまったりすることもあるんだ。


● AYAちゃん「飢餓の時代が長く続いていた当時は、今みたいに血糖値が高くなりすぎる状態を想定していなかったのかも」


 ホリエモンもたぶん想定外だったと思うよ。


● AYAちゃん「またわけのわからないことを。でも、いくら想定していなかったとはいえ、血糖値を下げるインスリン様がいてよかったですね」


 今の飽食の時代は、むしろインスリンが脚光を集めている。血糖値の管理人であるインスリンがいるからこそ、血液の中のブドウ糖の量が正常に保たれているんだよ。


● AYAちゃん「もし管理人がいなくなったら?」


 血糖値が高い状態が続き、以前に話したようなさまざまな合併症が起きてしまうんだ。こういう状態が糖尿病だよ。


● AYAちゃん「なるほど、糖尿病とインスリンはすごく密接な関係にあるんですね。


 だから前に言ったように、糖尿病はインスリンが不足したり、あっても働きが弱くなったりして起きる病気だといえる。ところでそんな大切なインスリンだけど、どこで作られるかわかる?


● AYAちゃん「素人がわかるわけないじゃないですか。そういえば前に先生から同じ質問をされたことがありましたね」


 ある離れ小島からインスリンは分泌されるんだよ。


● AYAちゃん「まさか。そんな遠くからどうやって私たちのところまで運んでくるんですか?」


 いや、すい臓という臓器にある島だけどね。インスリンは、ランゲルハンス島という組織から分泌されるんだよ。


● AYAちゃん「(ムカッ)島って言うから本物の離島かと思いましたよ。それが言いたくて、先日からどこにあるか聞いていたんですね。ところで、どうして島なのですか?」


 この島を発見したのは、当時まだ22歳だったドイツの病理学者ランゲルハンスという青年なんだ。彼が顕微鏡ですい臓の組織を見たとき、内分泌細胞のかたまりが散在しているのが見えた。それがちょうど、島が浮かんでいるように見えたんだね。1869年のことだよ。


● AYAちゃん「見つけたとき、おーい、島が見えたぞ~って叫んだのかしら」


 そんなことはないと思うけど、当時からすい臓が消化液を出すことは知られていたんだ。ランゲルハンスは、それとは異なる細胞の集団があるということを発見したんだね。


● AYAちゃん「ところですい臓って、どこにあるんでしたっけ」


 すい臓があるのは胃の裏側あたり。そこで食べ物を消化する酵素を分泌しているんだ。また今言ったように、その中のランゲルハンス島のベータ細胞からは血糖値を下げるホルモンを分泌するという働きもある。


● AYAちゃん「ベータ細胞っていうからには、ほかにはアルファ細胞もあるんですか?」


 なかなかいい推理だね。今言った血糖値を下げるホルモンであるインスリンのほかにも、血糖値を上げるホルモンやそれらを抑制するホルモンを分泌する細胞があるんだよ。


● AYAちゃん「それにしても、22歳の青年が糖尿病の治療に結びつくようなすごい発見がよくできましたね。私の兄貴もさほど年が変わりませんけど、いつもうだうだ過ごしてますよ。えらい違いだわ」


 ところがランゲルハンスは、この島がどういう役割をしているのかわからないまま死んでしまったんだ。


● AYAちゃん「アメリカ大陸を発見したコロンブスみたい。コロンブスは、死ぬまでアメリカ大陸を東洋のどこかと信じていたんですよね。でも歴史に名前を残した…」


 コロンブスと業績を比べることはできないけれど、歴史に名前を残したという点は間違いないね。


● AYAちゃん「しょこたんも言ってましたけど、生きた証を残すってすごいことですよ。それはともかく、インスリンと糖尿病の関係がわかったのはいつ頃なんですか?」


 すい臓の消化液以外の成分、つまりランゲルハンス島から出るホルモンで抽出液を作ることに成功したんだ。そして1921年、その抽出液をすい臓を取り出して人工的に糖尿病を起こした犬に注射する実験を行い、有効性を確認できたんだよ。ところでしょこたんって誰?


● AYAちゃん「新ブログの女王と言われてる中川翔子ですよ。それで、その液体がインスリンだったんですね」


 そう。翌年には インスリン注射が重症の糖尿病患者に行われ、奇跡的な回復を遂げることができた。


● AYAちゃん「ランゲルハンス島を発見してから、その役割を発見するまで50年以上もかかったわけですか。しかも現在まで100年も経っていないんだ」


 この実験に貢献したバンティングとマクロードは1923年のノーベル生理・医学賞を受賞しているよ。


● AYAちゃん「わぉ、ノーベル賞ですか。インスリンの発見はそれぐらいすごいことだったのですね」

( 次回はいつになるかわかりませんが、一応続く予定です )

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ゴキブリハンター・ビジベン with 一日の適正エネルギー量って、何? ~ 医師と女子高生の会話から ~

 こんばんは。

 毎日蒸し暑いですね~。

 この季節になると、必ずお目にかかる方がいらっしゃるのでした。

 それは、ゴ○ブリ。

 実は、伏字を使いたくなるほど、嫌いなのです。オイラの目には、エイリアンやプレデターと同じに映りまする。

 当然、発見したら、駆逐しなければなりませぬ。

 ゴ○ブリは部屋の中を、俊足を飛ばして駆け回りますが、ピタッと止まって動かなくなるときがあるじゃないですか。

 そのビッグチャンスを待ち、死角から音もなく、そ~と近づくのです。必殺仕事人のように…。

そして、いきなりマシンガンのように殺虫剤を乱射して仕留めます。

 しかし、ゴ○ブリの視角はかなり広いような。後ろから追いかける形になると、逃がしてしまうこともある。

 やっぱり、正面から出会いがしらの一撃が効きますよね。

 そこである日の夜、刑事みたいに壁の影に身を潜め、耳を澄ませて待っていたんですよ。

 すると、カサカサカサ…と、敵がやってくる気配がしました。

 今だ!!!

 パッと身を躍らせて、ゴ○ブリの正面に立ち、殺虫剤を乱射。

 …と思ったら、ゴ○ブリが目の前から消えてしまった。

 ?????

 どこへ逃げやがったんじゃ。

 突然反撃してくることもあるから、あたりを注意深く見渡します。

 足を一歩踏み出すと、どうも左足の裏に違和感が…。
 
 素足だったので、立ったまま足の裏を覗いてみたんですよ。


 ぎぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~、ゴ○ブリ踏んじゃったぁぁぁぁぁぁ~


 オイラの足の裏には、ペッシャンコになって体液が染み出たゴ○ブリが張り付いている。

 それでもさすがに、恐竜時代から生き延びてきた生命力。

 まだ生きていて、張り付いたオイラの足の裏で、触覚がピクピク動いているんですよ。

 ぎゃぼ、気持ち悪ぅぅ~

 そのあと、涙目になりながら、足を入念に洗ったのでした。

 今でも夢に出てくるおぞましい光景ですが、オイラの足の裏で昇天したゴ○ブリさんこそ、お気の毒だったりして。


 蒸し暑いけど、思い出すたび、鳥肌が立つ今日この頃です。
 


 …ということで、気持ち悪い前ふりの後ですが、今日はまた、「AYAちゃんの糖尿病事件簿」です。


 前回は「一日のカロリー摂取量」という話題を取り上げました。

 今日が始めての方、この記事に興味のある方は、先に「心と体」のカテゴリにある前回、前々回の記事をお読みいただければ幸いです。

 今日はその続きです。
 
 登場人物は、病院の院長先生と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。

 AYAちゃんは、将来、看護師になることを夢見る元気な女子高生。

 血糖値の上がったお父さんを救うため、糖尿病について勉強しているという設定でしたね。
  
 今日は、前回の続きで、一日の適正エネルギー量が話題になります。

 それでは…。


● AYAちゃん「適正エネルギー量って、何ですか?」


 一言でいえば、身体活動の程度から1日に使う適正なエネルギー量を算出したものだよ。 1日に摂取するエネルギー量より使うエネルギーが増加すれば、理論上やせることになるし、その逆なら太ることになる。だからダイエットしたいなら、その人が1日に使うエネルギー量を知ることで、どの程度食べてもいいかの目安にはなるね。


● AYAちゃん「なるほど、お父さんだけじゃなく私のダイエットにも使えそうですね。それはどうやって計算すればいいのですか?」


 まず、適正エネルギー量を知りたい人の標準体重を算出するんだよ。


● AYAちゃん「それなら覚えていますよ。


 標準体重を調べる計算式は、  身長(m) × 身長(m) × 22 でしたよね。
 
 うちのお父さんの身長は175センチだから
 1.75 ×  1.75 × 22 で、67.375キログラムが標準体重ですね」


 そう。それを知ってから、調べたい人の身体活動の程度を次の3つの項目に当てはめてみるんだ。

○ 軽い労働 … デスクワークが中心の職業や一般の店員、教員、幼児のいない主婦など  → 標準体重1キログラムあたりのエネルギー量 25~30キロカロリー


○ 中程度の労働 … 外回りの営業マンや立ち仕事の多い工員、幼児のいる主婦など → 標準体重1キログラムあたりのエネルギー量 30~35キロカロリー


○ 重い労働 … スポーツ選手、肉体労働者など → 標準体重1キログラムあたりのエネルギー量 35~40キロカロリー


● AYAちゃん「う~ん。お父さんの場合、結構走り回っているけど、スポーツ選手や肉体労働の人ほどハードではないですね。でもかなり、しんどそうだから、中程度の労働の上のほうかな」


 すると、標準体重1キログラムあたりのエネルギー量は、35キロカロリーか。その数字に標準体重をかければいいんだよ。

 標準体重67.375(キログラム)×35キロカロリー = 2,358.125キロカロリー。

 つまり、AYAちゃんのお父さんと同じ身長の人は、1日に2,358.125キロカロリーを摂取していれば、標準体重を維持できるということになるね。


● AYAちゃん「ということは、標準体重の67.375kgより太っているお父さんは、2,358.125キロカロリーより1日のカロリーを減らす必要があるわけですか」


 そうだけど、さっきAYAちゃんのお父さんの平均的な1日の摂取カロリーを聞いてみたら、思ったより少ないんだよね。


● AYAちゃん「(先生がプリントアウトしたお父さんの摂取カロリー表を眺めながら)えっと、外で飲んで味噌ラーメンを食べた日が2,393キロカロリーで、うちで夕ご飯を食べた日が2,171キロカロリーですね。あれっ?平均すれば、適正エネルギー量の範囲内ですよ」


 おかしいな。それだけ動いていて、 摂取カロリーも多くなければ、急激には太らないはずなんだけど。


● AYAちゃん「かすみを食べても太っちゃう人っていますから。体質なんじゃないですか?」


 まったくありえないとは言えないけど。でも、きっと何か見落としがあるんだよ。せっかく、なっちゃんが持ってきてくれたんだから、ケーキでも食べながら考えてみよう。
(AYAちゃんが持ってきたケーキを一口食べる先生)うっ、アブラっこい。(とたんに目を見開く)

 ちょっと、AYAちゃん!!


● AYAちゃん「(一緒にケーキを食べている)何ですか、先生。あらたまって」


 このケーキはいつも作るの?


● AYAちゃん「そんなことないですよ。気が向いたときだけです。そんなに目を見開くぐらいおいしいですか」


 これだけ甘くてこってりしているとね。


● AYAちゃん「今日のはスペシャルバージョンですから。でも、やっぱり味にインパクトがないと食べた気がしないですよね」


 …………。


● AYAちゃん「(ケーキをパクパク食べながら)先生、私、看護師もいいけれど、調理師になってオーナーシェフを目指すのもいいかなって思っているんですよ。青山や原宿辺りに自分のお店を持って、セレブな人生を歩むのもいいかな、と考えたりして」


 それでまさか、家でいろいろな料理をこしらえているとか。


● AYAちゃん「よくわかりましたね~。夕ご飯を食べてから、1人で創作料理の研究をしているんです。もうオリジナルのレシピも結構作ったんですよ」


 家族の分の夕ご飯は作らないんだ。


● AYAちゃん「お母さんがなぜか作らせてくれなくて」


 なんとなくわかるような気が…。


● AYAちゃん「でも、うちのお父さんはさすが舌が肥えてますね。私の創作料理の熱烈なファンといいますか。完食したあとのコメントがまた秀逸なんですよ」


 たとえば、どんなコメントなの?


● AYAちゃん「そうですね。豚の脂身だけで作ったカツ丼のときは、『脂身のトロトロ祭りや~』って、口の周りをアブラだらけにして喜んでいましたよ。ハンバーグのてんぷらのときは、『肉と油の合コンや~』って一口でペロリですね。それから、明太子のフライのときは、『口ん中がヒートアイランド現象や~』って、叫んだんですよ。もう最高のリアクションですよね~」


 お宅のお父さんは、グルメリポーターの彦麻呂かい。


● AYAちゃん「そうです、そうです。最近、顔が彦麻呂に似てきたような。今日はどんなコメントが飛び出すかと期待して腕を振るうんですけど」


 ほかの家族は試食してくれないの?


● AYAちゃん「お母さんは夕ご飯を食べたあとでお腹が一杯だからいらないって言うんです。兄貴は、私が料理を作ると、なぜか自分の部屋に閉じこもって鍵をかけちゃうし。やっぱり反抗期なんですかね」


 さっきから黙って聞いてれば…。いい加減、気づきなさいよ。毎晩、こんなカロリーの高い料理を作って寝る前のお父さんに食べさせているの?


● AYAちゃん「ええ、最近お父さんはお疲れみたいだから、栄養をつけて幸せな気分でゆっくり寝てもらおうと思って」


 AYAちゃんのお父さんが最近太って、血糖値が上がった原因がわかったよ。さっきのカロリー表から、なっちゃんが作った夜食が抜けてるじゃない。しかも、寝る前に食べるのがもっとも体脂肪を溜め込みやすいんだよ。


● AYAちゃん「(ガーン)ショック。そうか、私が作った料理を忘れてました。どうしよう。最初はちょっと試食をしてもらってただけなんです。あんまりお父さんのリアクションが面白いもんだから」


 それにしても、豚の脂身だけのカツ丼に、ハンバーグのてんぷら、そして明太子のフライかい。よくこんなカロリーの高い料理が思いつくね。


● AYAちゃん「(落ち込むなっちゃん)世界中の人たちに元気を出してもらおうと思っただけなんですけど…。このままだとお父さんは、私のせいで糖尿病になっちゃうんですか?


 寝る前に、こんだけカロリーが高いものを食べる人は珍しいと思うよ。


● AYAちゃん「責任を感じます。先生、この前、インリン様じゃなかったインスリンがどうとか仰ってましたよね。インスリンが発見されてから重度の糖尿病患者の命が救われるようになったって。インスリンと糖尿病は、どういう関係にあるのですか?」


 やっと話を聞く気になったみたいだね。その関係がそもそも糖尿病とは何か、という話題に繋がって行くんだよ。


( 次回はいつになるかわかりませんが、一応続く予定です )

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「のだめ的な彼女」と「がきデカ」の関係 with ネットでカロリー計算できるって、本当?

  こんにちは。

 完璧にご無沙汰いたしてしまいました。

 前回の更新が4月10日ですから、なんと2ヶ月近く滞ってしまったのですか。

 そういえば、以前も同じくらい滞ったことがあるような。

 そのときは、本の原稿を書いていて忙しかったのでした。実は今回も、いろいろな原稿を書いていたのですね~。

 今もいくつか同時進行で書いていますから、また更新が滞ることは確実な情勢。でも、なんとか永遠にブログが「the end」にならないようにしたいと願う今日この頃です。

 原稿の内容は、例によって医学のほかに心理、人事・労務と実にバラエティーに富んでおりまする。

 最初に形になるのは、人事・労務の本でしょうか。

 広辞苑並みの厚さを持つ本で、全2巻。聞き慣れないかもしれませんが、加除式の書籍です。

 加除式書籍とは、法令の改正や最新の事例を原本に追加しようとするとき、該当部分をその都度「追録」として発行し、「台本」の内容を補正・更新することができる形態の書籍のこと。

 内容は、中小規模企業の経営者・人事労務担当者が現実に直面する問題を網羅し、その問題解決のための実務に即した解説をQ&A方式でわかりやすくまとめたものなのですね~。

 法令・制度解説にとどまらず、人的資源を活かすノウハウを公開してしまうのですな。

 もちろん、オイラ一人で書いたわけではなく、偉い先生方とともに書かせていただきました。(今回は、一番執筆枚数が少なかったのですが)

 詳しい点は、おいおいご紹介させていただきます。

 ちなみに、定価は15,750円です。会社のみならず、各ご家庭に必ずワンセットは置いていただきたい逸品ですね~。

 それから、去年出版した「よくわかる最新『病』の基本としくみ」ですが、なんと台湾で翻訳出版されましたぁぁぁぁぁぁぁ~

図解入門 よくわかる最新「病」の基本としくみ (How‐nual Visual Guide Book) (単行本)

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 実は、オイラはまだ中国語バージョンの「病の基本としくみ」を見ていないのです。

 もし台湾へ旅行される方がいらっしゃいましたら、店頭で確認していただければうれしいです。 


 …ということで、便利屋の名を汚さぬよう多方面で頑張っています。でも、原稿執筆の忙しい間隙を縫い、達成したことがあるのですよ。

 それは、ユーチューブで「のだめカンタービレ」を制覇したこと。

 テレビドラマ編はもちろん新春スペシャル、アニメ、巴里編も。

 今大ヒット中の映画『のだめカンタービレ最終楽章』 後編はまだですが、やっぱり映画へ行くべきかどうか悩みまする。

 テレビドラマは滅多に見ないのですが、のだめには、なぜか今頃はまってしまいましたね~。
 
 ユーチューブの動画は小さいので、ずっと見続けていると、目が疲れるし、肩がこるし、…で、全部見るのはなかなか骨が折れました。

( ← 仕事が忙しいのではなく、これがブログ更新を滞らせた原因?) 

 テレビドラマではないですが、今年に入ってもう一つ、はまったものがあるんですよ。

 それは、韓国映画の「猟奇的な彼女」。


 こちらも、今頃はまるなんて相当遅いのですが。

 この映画の影響で、ハングルまで新たに勉強することに…。

 それはともかく、ここ十年以上、まったく映画やドラマにはまったことがなかったのに、どうしてですかねぇ。

 …と思っていたら、ネットで、『のだめ』仕掛け人が語る「大ヒット映画の作り方」とは?という記事を発見したのです。

 そこには、大ヒットの秘訣がいくつか述べられており、そのトップとしてキャラクターが面白いこと!があげられていました。

 「ゴミ溜めに住んでる女」というイメージの「のだめ」は、主人公として今までにいないタイプなのだとか。

 それとともに、映画『猟奇的な彼女』の主人公のキャラは、「ゲ○を吐く女」で、そんな彼女をかわいく見せたという意味では、画期的な発明だとも。

 のだめの映画の総監督の頭の中には、猟奇的な彼女のイメージもあったのですな。

 でも、上野樹里ちゃんやチョン・ジヒョンちゃんはかわいいけれど、彼女たちにはまるほどオイラはミーハーではないっす。

 なぜ、この二作はオイラの琴線に触れたのか。

 …といろいろ考え、ある一つの仮説を導き出すことに成功しました。

 どちらの作品も、ギャグ的な部分を「がきデカ」に置き換えると、見事にマッチするような気がするんですよ。

 それぞれのシーンを一つひとつ検証してゆく時間はありませんが、ギャグの間の取り方、オチの秀逸さは深い部分で繋がっているのではないかと感じました。

 しかも、のだめの第一回目のタイトルの中に「変態ピアニスト」とありますからね。

 変態といえば、漫画のなかに練馬変態クラブを登場させ、変態マンガの金字塔を打ち立てた「がきデカ」を見過ごすわけには参りませぬ。

 がきデカの中には、「ゲ○」を吐くシーンも頻出しますからね。

 つまり、オイラは、変態が好きだということ?

 自分は変態でないと断言できますが、結構、第三者的な視点で、変態を眺めるのは好きかも。

 小学校の遠足、大学のコンパ、会社の飲み会など、ゲ○を吐く人たちの横には、常に目をキラキラ輝かせて眺めるオイラがいたような。( ← それ自体、立派な変態? )

 やばいニャー。

 ちなみに、自分が吐くのは嫌いですので念のため。


 …ということで、今日はまた、2ヶ月ぶりの「AYAちゃんの糖尿病事件簿」です。

 前回は「お父さんの再検査の結果は…」という話題を取り上げました。

 今日が始めての方、この記事に興味のある方は、先に前回、前々回の記事をお読みいただければ幸いです。

 今日はその続きです。
 
 登場人物は、病院の院長先生と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。

 AYAちゃんは、将来、看護師になることを夢見る元気な女子高生。

 血糖値の上がったお父さんを救うため、糖尿病について勉強しているという設定でしたね。
  
 今日は、お父さんの一日のカロリー摂取量が話題になります。

 それでは…。

5.お父さんの一日のカロリー摂取量は? ~ ネットでカロリー計算できるって、本当? ~


● AYAちゃん「ぼぎゃ~、お父さん、どうしちゃったんだろう。若い頃はジャニーズ系だったそうですよ。当時は身長が175センチの体重が59キロで、カラオケで歌の合間にバク転していたってお母さんが話していましたから」


 いつ頃から太り始めたの?


● AYAちゃん「ここ数年ですね。とくにここ1~2年は太り方がすごいんですよ」


 なるほど。食事は誰が作っているの?


● AYAちゃん「うちは朝食と夕ご飯はお母さんが作ってます。お母さんの作る食事は、ちょっとヘルシーすぎるくらいで、あまり食べた気がしないんだけど」


 減量前は、いつもお父さんはどんなものを食べていたのかな。


● AYAちゃん「えっと、朝はトーストとコーヒーとサラダ、それからゆで卵ですね。いつもお母さんに、喫茶店のモーニングサービスみたいって言うんですけど」


(自分のパソコンを開き、キーを打ちながら、AYAちゃんに質問する先生)トーストはもちろん、バターを塗って食べるんだよね。それから昼食は?


● AYAちゃん「先生、何でパソコンなんか見ているんですか?」


 今はね。インターネットで1日の摂取カロリーを計算できる優れもののサイトがあるんだよ。


● AYAちゃん「わおっ、面白そう。昼食はお父さん、何を食べているんだろう。会社の食堂や近くの定食屋さんで食べているみたいだけど…。そうだ。夕ごはんがカレーだと、昼はカレー食べたんだよって、よくブツブツ言いながら食べていることがありますよ」


 じゃ、とりあえず昼食はカレー、と。あと、夕食は?


● AYAちゃん「会社の人たちと仕事帰りにビールを飲んで、そのあと味噌ラーメンを食べたりしているみたいです。飲んで帰らないときは、うちで夕ご飯を食べますね」


 飲むのはビールだけかな。おつまみはどれくらい食べているか、わからないよね。


● AYAちゃん「お小遣いが少ないから、ビールは一本くらいしか飲めないっていつもぼやいていますよ。おつまみも、鳥の照り焼きと冷奴が定番みたいで…」


 ビールの大瓶1本と鳥の照り焼きと冷奴と味噌ラーメンを朝昼晩の食事に合計すると、一日のカロリーは、2,393kcalか…。

 食パン1枚(バター付)    260kcal
 グリーンサラダ 1皿      80kcal
 コーヒー 1杯          48kcal
 ゆで卵 1個           81kcal
 カレーライス 1杯       715kcal
 鳥の照り焼き 1皿      321kcal
 冷奴 1皿            90kcal
 ビール大瓶1本        248kcal
 味噌ラーメン 1杯      550kcal
 

 でも、これだけってことはないよね。


● AYAちゃん「飲んで帰らない日でも、うちで缶ビールを1本は飲んでますね。うちの家族は、お父さんと兄貴と私が肉を好きだから、夕ご飯に焼肉を食べることも多いですよ。


 だとすると、350mlの缶ビール一本のカロリーは、約150kcal、とりあえず焼肉定食として計算すると、837kcal。飲んで帰らない日のトータルのカロリーは、2,171kcaか…。


 食パン1枚(バター付)    260kcal
 グリーンサラダ 1皿      80kcal
 コーヒー 1杯          48kcal
 ゆで卵 1個           81kcal
 カレーライス 1杯       715kcal
 焼肉定食            837kcal
 缶ビール1本          150kcal


 飲んでおつまみを食べ、仕上げに味噌ラーメンを食べて帰る日より、さすがにカロリーが少ないね。 栄養のバランスはともかく、思ったより摂取カロリーが少ないような気がするけど…。もちろん、このほかにも、砂糖やミルクをたっぷり入れたコーヒーやハンバーガーを仕事の合間に食べているんだよね。


● AYAちゃん「コーヒーや栄養ドリンクは飲んでいるかもしれませんけど、お父さんの乏しいお小遣いで、毎日ハンバーガーみたいな間食は食べられないはずですよ」


 AYAちゃんのお父さんは事務の仕事だよね。平日はデスクワークが中心で、お休みの日もうちでおとなしくテレビや読書をしているような人なの?


● AYAちゃん「そんなことないですよ。お休みの日はお母さんに買い物に付き合わされたり、トイレやお風呂の掃除を頼まれたり、日曜大工を頼まれたり、たまに接待ゴルフに駆り出されたり、結構アクティブに過ごしていますよ。平日だって、会社の中をあちこち頭を下げに走り回らされているって言ってましたし」


 お気の毒。話を聞いているだけで、息が苦しくなってくるよ。それなら、AYAちゃんのお父さんの一日の適正エネルギー量は、普通の人より多く必要かもしれないね。


  ( 次回はいつになるかわかりませんが、一応続く予定です )

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お父さんの血糖値の再検査の結果は…。~医師と女子高生の会話から~

 こんにちは。

 今日の午前中は、久しぶりに図書館へ行ってきました。

 ご近所ではなく、電車に乗ってゆく、少し遠目の図書館です。

 こちらの図書館は、蔵書が多いのが魅力ですが、何と言っても公園の中に近代的な建物があるのがいいですね~。

 今の季節は、桜が満開ですから、お花見とコラボで楽しめるのがグー。

 さっそく写真を撮ったのですが、パソコンに取り込むUSBケーブルが手元にないので、またの機会に…。

 図書館へは、仕事で使う本を調べるために行ったのですが、閲覧室では多くの人が勉強していました。

 思ったより学生さんが少ないのは、受験シーズンが終わったからでしょうか。

 それと反比例して、オヤジと大人の女性が熱心に問題集と取り組んでいましたね。

 やはり不況だし、資格を取得してキャリアアップを図ろうとしているのかも。

 そういえば最近、あまり気合を入れて勉強していなかったことに気づく今日この頃。

 4月だし、なんか新しいことにチャレンジしたいっす。

 …が、しかし。すぐ新しいことに飛びつくくせに、あまり長続きしないのでした。

 意外と飽きっぽい性格なのですが、ブログだけは低空飛行を続けながらも、何とか更新できているのは、皆様のおかげと感謝しております。

 

 …ということで、今日はまた、「AYAちゃんの糖尿病事件簿」です。

 この「糖尿病シリーズ」。

 ほぼ隔週で、お送りしています。

 前回は「血糖値の再検査って、どんなことをするの?」という話題を取り上げました。

 今日が始めての方、この記事に興味のある方は、先に「心と体」のカテゴリのなかにある前回、前々回の記事をお読みいただければ幸いです。

 今日はその続きです。
 
 登場人物は、病院の院長先生と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。

 AYAちゃんは、将来、看護師になることを夢見る元気な女子高生。

 血糖値の上がったお父さんを救うため、糖尿病について勉強しているという設定でしたね。
  
 前回、「血糖値の検査」について勉強したAYAちゃん。今日は、お父さんの血糖値の再検査の結果が話題になります。

 それでは…。


4.お父さんの再検査の結果は…。 ~ 一夜漬けの減量を見抜く方法 ~



● AYAちゃん「(2週間後、ニコニコ笑いながら先生の部屋に入ってくるAYAちゃん)先生、こんにちは。先日はどうもありがとうございました。お父さんの検査結果が出ましたよ」


 お、久しぶり。その顔だと、検査の結果がよかったみたいだね。


● AYAちゃん「へへへ、おかげさまで、お父さんの血糖値が下がりました~♪ それでお祝いということで、またケーキなど焼いてみたのですけど、よかったらどうぞ」


 おお、悪いね。じゃ、コーヒーでも入れてさっそくいただくことにしよう。ところで、お父さんの血糖値はどれくらい下がったの?」


● AYAちゃん「一応、検査表を借りて来たんですけどね。(ショルダーバッグから検査表を出して先生に見せるAYAちゃん)どうです?かなり血糖値が下がりましたよね」

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 ( 見難くてすいません )


 ふむふむ。空腹時の血糖値が110mg/dlで、ブドウ糖溶液を飲んでから2時間後の血糖値が、142mg/dlか。 確かに、前回の空腹時の血糖値が123mg/dlだから、下がったね。


● AYAちゃん「先生はこの前、血糖値の正常範囲が、空腹時で110mg/dl未満、2時間後が140mg/dl未満だっておっしゃっていましたよね。これなら、もう正常に戻ったと言ってもいいんじゃないですか?」


 この血糖値の数字で見る限り、ちょうど正常領域と境界領域の間ぐらいだね。(AYAちゃんの作ったケーキを一口食べる先生) うっ、甘い。


● AYAちゃん「甘いですか…。血糖値が下がったお祝いだから、ケチケチしないで砂糖を少し多めに入れたんですよ。お父さんも検査前は頑張りましたからね。ご褒美をあげようと思って」


 ずいぶん頑張ったというのはわかるよ。試合前のボクサー並みの減量をしたんじゃないかな。


● AYAちゃん「どうしてわかったんですか。途中でお父さんが、『これじゃ、力石になっちゃうよ』って弱音を吐いてましたけど。ところで、力石って誰ですか?」


 昔、伝説のプロボクサー、矢吹ジョーと戦って死んでしまった力石徹というボクサーがいたんだけどね。それにしても、このケーキは甘いだけじゃなく、妙にこってりしているね。


● AYAちゃん「わかります?バターとチョコもケチケチしないでたっぷり入れてみました~♪」


 う、カロリー高そう。当然、このケーキはお父さんも食べたんだよね。


● AYAちゃん「もちろんですよ。1週間の減量で、フラフラになっていましたから、検査が終わった晩はおいしい、おいしいって、3回もお替りしたんですよ」


 ちょっとAYAちゃん。せっかく喜んでいるのに水を差すようで悪いけど、この検査結果は「境界型」だよ。糖尿病は、境界型の状態を経て発症するんだ。今のままの生活を続けていると、糖尿病になる可能性が高いということだよ。


● AYAちゃん「(少しムッとして)境界型かもしれませんけど、限りなく正常型に近い数値じゃないですか。もうゴールは目の前ですよ」


 そう来ると思った。一時的に節制して血糖値を下げても、今計ったら上がっているかもしれないよ。この検査結果が出たあと、これからも注意したほうがいいと言われたと思うけど。一夜漬けで血糖値を下げたのはバレバレだし…。


● AYAちゃん「(ギクッ)ど、どうして、一夜漬けだってわかったんですか?」


 検査表の中のヘモグロビンA1Cの数値を見たんだよ。この正常値は、4.3~5.8パーセントなんだ。AYAちゃんのお父さんは、6.3パーセントと、血糖のコントロールが良好とは言えないからね。


● AYAちゃん「それだけで、どうして検査の前に必死で減量したってわかっちゃうんですか」


 空腹時の血糖検査がそのときの血糖値の状態を調べるのに対し、ヘモグロビンA1Cは過去1~2ヶ月の平均的な血糖の状態を知ることができるんだ。だから一時的に節制して血糖値を下げようとしても、長期間の血糖コントロールの状態がわかってしまうんだよ。


● AYAちゃん「それならもっと早く教えてくれればいいのに。どうしてそんなことがわかるんですか?」


 ヘモグロビンA1Cのヘモグロビンって聞いたことがあるかもしれないけど、赤血球に含まれる赤い色素のことだよ。血が赤く見えるのは、ヘモグロビンの影響なんだ。これは体の隅々に酸素を運ぶという大事な役割がある。そのヘモグロビンと血液中のブドウ糖が結合するとグリコヘモグロビンという物質に変わるんだ。


● AYAちゃん「血液とチョコやキャラメルが合体したような、いかにも甘そうなネーミングですね」


 グリコの語源となったグリコーゲンは、その発見者がギリシア語の「甘い」と「生じる」という言葉を合成して作った言葉だからね。それはともかく、ヘモグロビンと結びついたブドウ糖は、赤血球の寿命が尽きるまで血液の中に存在するんだ。


● AYAちゃん「ふ~ん。その寿命って、どれくらいですか?」


 大体、120日間、約4ヶ月だね。だからヘモグロビン全体に占めるグリコヘモグロビン、つまりヘモグロビンA1Cの割合を調べれば、過去1~2ヶ月の血糖の平均値がわかるんだよ。


● AYAちゃん「じゃ、ここ1週間で血糖値を正常値に近づけたとしても、その前の血糖値が高い状態がわかってしまうのですね」


 そう。だから一夜漬けで頑張ったんだなってわかってしまうわけ。


● AYAちゃん「ひぃぃぃぃ~、血糖値はともかく学校のテストで、このヘモグロビンA1Cの検査をされたら大変だわ。私なんか、いつもテストの前の日だけ徹夜して頑張ってますから」


 ほかにも、過去2~4週間の血糖値の状態を調べる「グリコアルブミン検査」や過去数日間の状態がわかる「1.5-AG検査」などもあるよ。


● AYAちゃん「それじゃ要するに、うちのお父さんはそんなに喜んでいる場合じゃない、ってことですね」


 悲観することはないけれど、境界型だからこのままの生活を続けていると糖尿病になる可能性は否定できないね。


● AYAちゃん「う~、お父さん、どうしちゃったんだろう。若い頃はジャニーズ系だったそうですよ。当時は身長が175センチの体重が59キロで、カラオケで歌の合間にバク転していたってお母さんが話していましたから」


 いつ頃から太り始めたの?


● AYAちゃん「ここ数年ですね。とくにここ1~2年は太り方がすごいんですよ」


 なるほど。食事は誰が作っているの?


      (再来週に続きます)

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血糖値の再検査って、どんなことをするの? ~ 医師と女子高生の会話から ~

 こんにちは。

 先日、冷めたうなぎの蒲焼を食べていて、のどに違和感が…。

 「また、のどに骨が刺さったのかよ、勘弁しちくり~」と、のどを鏡に映してみたんですよ。

 わっ、何じゃこりゃ~ぁぁぁぁ!?


 扁桃腺の部分が赤く腫れるのではなく、白く腫れ上がっている。痛いというより、のどに骨が刺さったような違和感があるのです。

 骨が刺さったから腫れたのか、はたまた、白く腫れ上がっているから骨が刺さったように感じるのか…。

 それを確かめようと、大口開けたまま、30分も悪戦苦闘したのですが、その実態をつかむことはできませんでした。

 耳鼻科へ行こうかどうしようか迷っているうちに、少しずつ改善してきたのですね~。

 ネットで調べてみたら、花粉症でのどが痛くなるのは珍しくないらしい。

 赤ではなく、白く腫れれば熱も出ないのでしょうか。

 白くなっているのはオイラから見て、右の扁桃腺。

 左は大丈夫なのですが、風邪をひいて赤くなったら、紅白ですよね。

 尾形光琳の「紅白梅図屏風」みたいな世界が、のどの中で展開できたら、録画してYouTubeに投稿しようかと考える今日この頃です。


 
 …ということで、今日はまた、「AYAちゃんの糖尿病事件簿」です。

 この「糖尿病シリーズ」。

 ほぼ隔週で、お送りしています。

 前回は「高血糖をほっておくと、どんな病気が起きるの?」という話題を取り上げました。

 今日が始めての方、この記事に興味のある方は、先に心と体のカテゴリのなかにある前回、前々回の記事をお読みいただければ幸いです。



 今日はその続きです。
 
 登場人物は、病院の院長先生と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。

 AYAちゃんは、将来、看護師になることを夢見る元気な女子高生。

 血糖値の上がったお父さんを救うため、糖尿病について勉強しているという設定でしたね。
  
 前回、「糖尿病の合併症」について勉強したAYAちゃん。今日は、血糖値の検査について勉強します。

 それでは…。



3.血糖値の再検査って、どんなことをするの?  ~ 血糖値のタイムラグを調べる ~


● AYAちゃん「ところで先生、今度お父さんが受ける血糖値の再検査って、どんなことをするのですか?」


 再検査でよく行われるのは、「ブドウ糖負荷試験」だよ。これは、空腹時の血糖値を調べてから75グラムのブドウ糖溶液を飲んで、1時間後と2時間後の血糖値を調べるんだ。


● AYAちゃん「そんな甘いものを飲んだら、血糖値が上がってしまうじゃないですか。なんか、まずそうだし…」


 食後の血糖値の上がり具合を調べる検査だから、当然だよ。それにサイダーみたいな味で、結構おいしくて飲みやすいと言われている。


● AYAちゃん「血糖値の検査って、いつもお腹がすいているときにするんですね。それはブドウ糖溶液をおいしく感じてもらうためですか?」


 新しい解釈だけど違うね。ブドウ糖負荷試験は、糖尿病かどうかを診断するために行うんだ。糖尿病の人は、健康な人に比べて血糖値が大きく変動することがある。たとえば、空腹のときは誰でも血糖値が下がるわけ。糖尿病の患者さんでも、健康な人と同じくらいまで下がることがあるんだよ。


● AYAちゃん「お腹がすいているときは、健康な人か糖尿病の人か、見分けがつかないこともあるんですか」


 そう。そのため、糖尿病の検査をするときは、条件を一定にして行う必要があるんだ。ブドウ糖溶液を飲むと誰でも血糖値が上昇するよね。ただ、健康な人はそれほど血糖値は上がらないし、2時間も過ぎれば元に戻る。ところが糖尿病の患者さんは、一度上がった血糖値がなかなか下がらないんだ。


● AYAちゃん「どうして下がらないんですか?」


 血糖値を下げるのは、インスリンというホルモンの働きによるんだよ。糖尿病の人は、インスリンの分泌量が不足していたり、働きが悪くなったりしていて、2時間たっても血糖値が高い状態を維持してしまう。


● AYAちゃん「えっ? インスリン? ゆうこりんなら知っていますけど」


 誰それ?インスリンは、糖尿病を考えるときには、はずせない言葉だからよく覚えておいてよ。糖尿病についての記述がこの世に現れるのは、紀元前の古代エジプトまで遡るらしい。日本でも平安時代、御堂関白と言われ栄華を極めた藤原道長が、記録に残っている最初の糖尿病患者と言われている。


● AYAちゃん「へ~、そんなに昔から糖尿病があったんですか。藤原道長は日本史の授業で習いましたけど、それがインスリンとどう関係があるんですか?」


 大有りだよ。紀元前1500年には糖尿病がすでにあったということがわかっているんだ。だけど、それからつい最近の20世紀になるまで、重度の糖尿病患者にとって本格的な治療法がなかった。

 藤原道長は、食欲が旺盛で、のどがかわいてしきりに水を飲み、そのあと目が見えにくくなったと言われている。最終的には皮膚の感染症で亡くなったそうだけど、それまでさまざまな合併症で苦しんだそうだ。


● AYAちゃん「藤原氏って、『藤原氏にあらざる者は人に非ず』とか言って、栄華を極めた一族ですよね。いくらお金があって贅沢していても、健康じゃなければ楽しくなかっただろうな」


 藤原氏じゃなくて、『平家にあらざる者は人に非ず』だったと思うけど。藤原道長の詠んだ歌にこんなのがあったね。

『この世をば わが世とぞ思う望月の かけたることもなしと思へば』

 この世は自分のためにあると思う。今宵の満月が欠けているところがないように、自分も不満がまったく無いという意味だね。


● AYAちゃん「先生が私と違って、日本史や古文も得意なのはわかりましたよ。だからそれがどうインスリンと結びつくのですか?」


 藤原道長がそれだけ権勢を極めて、自分が思い通りにならないことがないなんて言っておきながら、糖尿病だけはどうにもならなかった。20世紀に入って糖尿病のメカニズムがわかるまでは、どうして病気になるのかわからなかったんだ。

 おしっこがたくさん出て、体がだるくなり、そのうちやせてくる。そんな患者さんの体力を保つために、たんぱく質や脂肪が豊富な食事を与える治療法が行われたこともあるんだよ。


● AYAちゃん「わっ、今と反対のことをしてしまったんですね」


 そう。軽度の病気の患者さんは何とか持ちこたえられたんだけど、重症の患者さんは、血液が酸性に傾き、こん睡状態になって死んでしまったんだ。


● AYAちゃん「紀元前1500年から20世紀というと、約3500年ですか。そんなに長い間、糖尿病は原因不明の難病だったわけか」


 当時は、病気になると水を飲み続け、肉や手足がおしっこに溶け出して、やがて死に至ると恐れられていたんだね。ところが、1921年に、インスリンが発見されて重症の糖尿病患者さんの命を救うことができるようになったんだよ。


● AYAちゃん「すごいですね、インスリンって。これからは、インスリン様と呼ぼう。略して、インリン様か」


 また、マニアックな。インリン様を知っているなんて、AYAちゃんはプロレスも好きなんだね。


● AYAちゃん「そういう先生だって、マニアックですよ」


 そんなことより、インスリンって、どこで作られるかわかる?


● AYAちゃん「(頭がプロレスモードに切り替わってしまったAYAちゃん)そういえば、『ハッスル』の試合をテレビで録画しているんだったわ。早く帰ってみなくちゃ。先生、私ちょっと用があるんでこれで失礼します」


 えっ?お父さんの血糖値の話はもういいの?


● AYAちゃん「大丈夫ですよ。今日からガンガン減量させて、血糖値を下げさせますから。じゃ、先生。今日はありがとうございました。お父さんの検査結果が出たら、また来ますね(走って部屋から出て行ってしまうAYAちゃん)」


 まったく…。


        (再来週に続きます)

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高血糖をほっておくと、どんな病気が起きるの? ~ 医師と女子高生の会話から ~

 こんにちは。

 先週、都心の繁華街で、ある大衆食堂へ入ったのですよ。

 ごはんや味噌汁のほかに、おかずが三品ほどついて、500~600円のリーズナブルな価格。しかも、わりとおいしいので、昼食時になるとオヤジで溢れます。

 いつも混むので、11時半くらいに店に入り、さっそく焼き魚定食を注文しました。

 それをパクパク食べていると、オイラの前にオヤジが座り、肉豆腐定食を注文。

 フーフー、いいながらおいしそうに食べるオヤジを見て、寒い日は、肉豆腐でもよかったなと思った頃、突然、そのオヤジが手を上げました。

 先生に質問するような挙動にオイラがギョッとすると、店員のおばさんに食いかけの肉豆腐の中を箸で示します。

 その先には、なんと、季節はずれのでかい蝿が…。

 やわらかく煮込まれて、いい出し汁が出ていそう。

 そのおばさんは、ギョッとするかと思いきや、手馴れた様子で、「あ~御免ね~」と肉豆腐を下げ、「別のすぐ持ってきますから」と言いました。

 そのオヤジも手馴れた感じで、「じゃ、アジフライをもらおうかな」と冷静な顔で、漬物をボリボリと齧っている。

 やがて、オヤジの前には、アジフライのほかに、サービスの冷奴が並びます。しかも、伝票には大きくゼロの文字が書き込まれているのですよ。

 いいな~。

 オイラの皿にも、何か入っていないかニャー。ゴキブリでも入っていたら、ビフテキが食えるかも。

 …と、食い散らかした魚の骨のすきまや味噌汁、おひたし、漬物などの皿の中を確認したのですが、残念ながら猫の子一匹入っていないのでした。

 それにしても、あの店員と客の冷静さは、ちょっと怖い気が…。

 毎度のことのような雰囲気も。

 もっとも、オイラの世代は、テレビジョッキーでゴキブリを食べる少年とかいましたからね。

 食卓には普通に蝿が飛んでいたどころか、予防接種の注射針も使いまわしていた時代ですし。

 しかし、それだけ強力な免疫力を持っている世代でも、糖尿病にはかなわないのでした。


 …ということで、強引な前振りのあと、今日はまた、「AYAちゃんの糖尿病事件簿」です。


 この「糖尿病シリーズ」。

 ほぼ隔週で、お送りしています。

 前回は「血糖値とは何か」という話題を取り上げました。

 今日が始めての方、この記事に興味のある方は、先に「心と体」のカテゴリにある前回の記事をお読みいただければ幸いです。

 今日はその続きです。
 
 登場人物は、病院の院長先生と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。

 AYAちゃんは、将来、看護師になることを夢見る元気な女子高生。

 血糖値の上がったお父さんを救うため、糖尿病について勉強しているという設定でしたね。
  
 前回、血糖値について勉強したAYAちゃん。

 今日は、高血糖をほっておくと、どんな病気が起きるのかが話題になります。
 
 それでは…。


2.高血糖をほっておくと、どんな病気が起きるの? ~ 動脈硬化が進んで起こる怖い合併症の数々 ~


● AYAちゃん「そうか。私はお父さんと違って大食いしませんからね。でも、自覚症状はほとんどないんですよね。だったら無理に努力しないで、ハニーブラッドのまま生きてゆくのも一つの生き方だと思うんですけど」


 何?ハニーブラッドって。ルー大柴みたな英語だね。検査結果を見て、「また、血糖値が高めだ」と落ち込むだけの影響だったら、何も言わないよ。残念ながら血糖値が高いまま放っておくと、困ったことが体に起きてくるんだ。


● AYAちゃん「甘い雰囲気に誘われて、異性が集まってきて困る、みたいな?」


 だったら良いんだけどね。血糖値が高い状態が続くと、体中の毛細血管が徐々に障害を受ける。同時に動脈硬化が進んで、いろんな合併症を引き起こすんだ。


● AYAちゃん「えっ? たとえばどんな病気ですか?」


 これから言うから、メモしてお父さんに教えてあげてね。まずは、糖尿病の三大合併症といわれる糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症…。


● AYAちゃん「ちょっと、先生。難しい病名はいいですから、放っておくと体がどうなるのかだけ教えてください」


 将来、看護師になるんだったら全部覚えないといけないんだよ。まず、糖尿病性網膜症は成人の失明原因の第1位になっている怖い病気だ。それから糖尿病性神経障害になると、末梢神経が妨げられ、全身にさまざまな症状が現れる。


● AYAちゃん「たとえば、どんな症状ですか?」


 多量の汗をかいたり、逆に汗が出なくなったりする発汗異常、また、便秘や下痢、こむらがえり、立ちくらみ。それから手足の先がしびれたり、冷えたり、痛んだりすることもある。あと、胃のもたれや吐き気を訴える人もいるよ。


● AYAちゃん「そんなにたくさんあるんですか。末梢神経って、いろんな役割があるんですね」


 そう。それから高血糖によって糖尿病性の腎症になると、腎臓の糸球体という組織が障害されるんだ。腎機能が低下すると、尿にたんばくが漏れ出したり、血圧が高くなったりする。また、体がむくんだり、だるくなったりもするね。最終的には、おしっこを作ることができなくなって「人工透析」が必要になるケースもあるんだ。


● AYAちゃん「それは大変ですね。私の友達のおじいさんが人工透析を受けているそうなんですよ。週3回クリニックに通わないといけないんだって話していました」


一回の透析治療に4~5時間もかかるから、日常生活に負担がかかるのは間違いないね。それから糖尿病になると、動脈硬化が促進されることも忘れてはいけない。


● AYAちゃん「動脈硬化になると、脳卒中や心臓病になりやすいんでしたよね」


 そう、よく覚えていたね。血糖が高い状態が続いていると、血管の内膜に傷ができやすいんだ。そこにコレステロールなどからできたドロドロのおかゆのようなかたまりがしみ込んで硬くもろくなってしまう。

 結果的に血管が狭くなったり、症状が進むと血管が詰まってしまったりする。動脈硬化が心臓の冠動脈に起こって、血流が不足するのが狭心症だよ。


● AYAちゃん「血糖値が高くて血液がドロドロだと、血液のかたまりができやすくなるんですよね。そのかたまりが脳の血管に詰まると脳こうそく…」


 その通り。血液のかたまりが心臓の冠動脈に詰まると、心筋こうそくになる。


● AYAちゃん「以前、先生から、動脈硬化を引き起こす危険因子は他にもいろいろあるって聞きましたね」


 加齢や高血圧、高脂血症、肥満、タバコなどが考えられるね。


● AYAちゃん「高脂血症って、何でしたっけ」


 コレステロールとか、中性脂肪とか言われている血液中のアブラが多すぎる病気だよ。そういえば以前、彩君がてんぷら油やサラダ油をキッチンの排水管に流して、そのあと水が流れにくくなったしまったって言っていたよね。血管も同じように、流れている血液のアブラが多すぎると、詰まりやすくなるんだ。


● AYAちゃん「先生って、私が失敗したことはよく覚えているんですよね。糖尿病は、おしっこが甘くなるというイメージしかなかったんですけど、死亡原因にも大きく影響しているんですか。知らなかったわ」


 それから、糖尿病の合併症としてよく引き合いに出されるのが「壊疽(えそ)」だね。


● AYAちゃん「壊疽って、何ですか?」


 怪我でできた傷などに細菌が感染して化膿してしまい、やがてその部分の組織の細胞が死んで腐ってしまう病気だよ。糖尿病の場合、とくに足に多いんだ。症状が悪化すると、足を切断しなければならない場合もある。


● AYAちゃん「細胞が死んで腐ってしまうなんて、痛そう」


 ところが、それほど悪い状態になっても、患者さんは痛くもかゆくもないケースが多いんだ。


● AYAちゃん「えっ?どうしてですか」


 原因は、糖尿病性の神経障害にあるんだよ。足の末梢神経が正常なら、怪我をすれば当然痛みを感じて、すぐお医者さんへ行ったり、自分で消毒して絆創膏を貼ったりするよね。

 ところが糖尿病の患者さんの中には、末梢神経の機能が低下しているから痛みを感じない人たちがいるんだ。たとえば、足の裏に画びょうが刺さったのに気づかないで、何日も歩き続けてしまうケースもある。


● AYAちゃん「考えるだけで痛そうですけど、本人は痛くないんですよね。痛みを感じないと、自分の体の異変は見て判断するしかないわけか。でも、自分の足の裏をしげしげと眺めることはあまりないような。まして靴下を履いてしまうと滅多に見ないですよ。冬の寒い日なんか、靴下を脱ぐのが面倒くさくてそのまま寝ちゃうこともありますし…」


 老婆心までに言うけど、靴下は毎日交換してよ。その患者さんの場合、熱が出て、炎症が広がり、足が二倍も腫れあがって赤く変色しているのを見てはじめて気がつくわけ。その変わりように驚いてお医者さんに駆け込む患者さんもいるんだよ。いかに人間は痛みなどの感覚に頼って生きているか、ということだね。


● AYAちゃん「普通なら、画びょうを踏んだとき飛び上がるんですけどね。ドアに手を挟んだり、包丁で指を切ったりしたときは、何で痛みなんか感じるんだろうって思いますよ。でも痛みは、人間にとってとても大事なものなんですね」


 そういえば小泉元首相は、痛みに耐えろと言ったけれど、なぜ痛みが必要なのか教えてくれなかったね。


● AYAちゃん「(改まった口調で)先生、そんなくだらない冗談を言っている場合じゃないです。私のお父さんの血糖値が高いんですよ!今度、暇なときに再検査に行こうって言ってるけど、至急、行かせなければ。会社を休ませてでも、病院へ連行するぞ!」


 また極端だね。彩君があんまり楽観的だから、ちょっと言いすぎちゃったみたいだけど…。そこまですることはないよ。


● AYAちゃん「いえいえ、昨日の夜も、結構夜食をバクバク食べていましたからね。この前の検査のときより、血糖値はもっと上がっていると思いますよ。体の改革の痛みに耐えて、頑張ってもらわねば」


 怖い…。目が据わってる。


● AYAちゃん「どげんかせんといかん!!!」


 ひぃ~宮崎県の知事みたい。


  (再来週に続きます)

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なぜ、お父さんの血糖値が上がったの? ~ 医師と女子高生の会話から ~

 こんにちは。 

 今日は、「AYAちゃんの糖尿病事件簿」なのですね~。

 さて、この「糖尿病シリーズ」。

 ほぼ隔週で、お送りする予定です。今日が始めての方は、先に前々回の記事をお読みいただければ幸いです。


 今日はその続きなのですね~。
 
 登場人物は、病院の院長先生と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。

 AYAちゃんは、将来、看護師になることを夢見る元気な女子高生。

 血糖値の上がったお父さんを救うため、糖尿病について勉強しているという設定でしたね。

 いよいよ本論の第一章、「なぜ、お父さんの血糖値があがったの?」

 今日は、「運動しているのに、お父さんの血糖値が上がったのはなぜ?」が話題になります。
 
 それでは…。



第1章 なぜ、お父さんの血糖値が上がったの?


1.運動しているのに、お父さんの血糖値が上がったのはなぜ? ~ 血糖値は多少高くても、自覚症状はほとんどない ~


 あまり危機感はないみたいだけど、お父さんの血糖値はどれくらいなの?


● AYAちゃん「123だそうですよ。お父さんが検査表の数字を見ながら、ワンツースリーって冗談みたいな数字だって笑っていたから覚えているんですけど。ところで血糖値って、血がどれくらい甘いかってことですよね」


 血糖値の血糖とは、血液の中に溶けているブドウ糖のことを言うんだ。その濃度を表す数値が血糖値だよ。ブドウ糖は、脳や筋肉の細胞のエネルギー源として欠かせない物質だ。これがないと、人間は考えたり、動いたりすることができない。だから誰でも血液の中に一定の量のブドウ糖が流れている。


● AYAちゃん「そんな大切なものなんだ。でも、ブドウ糖の量が多すぎてもいけないんですね」


 そう。血糖値は、正常なら大体血液1リットルあたり0.7グラムから1.2グラム含まれているんだ。つまり、70~120mg/dlだね。AYAちゃんのお父さんの血糖値123というのは、1リットルあたり1.23グラムのブドウ糖が血液中を流れているということになるわけ。


● AYAちゃん「なんだ、それっぽっちですか。だったらうちのお父さんは、それほど高くないわけですね。心配して損したわ」


 また楽観的になって。血糖値は1日の中で大きく変動するんだよ。一般に、食後は血糖値が高くなって、お腹がすくにしたがって段々下がってゆく。AYAちゃんのお父さんが健康診断へ行ったときは、朝ごはんを抜いて行ったんじゃないかな。


● AYAちゃん「そうです。今日は健康診断へ行くからって、一人だけ朝食を食べませんでしたから」


 それじゃ、やっぱりお腹がすいているときに血液検査を受けたんだね。血糖値が123で高いって言われたのなら、空腹時血糖検査を受けたのだろうと思ったわけ。食事時間に関係なく受けられる随時血糖検査なら、それほど問題ない数値だから。


● AYAちゃん「ふ~ん。よくわかりませんけど、そのお腹がすいているときとそうじゃないときの検査の数値は、どれくらいなら正常なんですか?」


 一般に、空腹のときの血糖検査が、110mg/dl以下、いつでも行える随時血糖検査では140mg/dl以下が正常だと言われている。ちなみに、空腹のときの血糖検査では、126mg/dl以上、随時血糖検査で200mg/dl以上なら「糖尿病型」と判定されるんだよ。


● AYAちゃん「じゃ、お父さんのお腹がすいているときの123mg/dlはどちらに入るんですか?」


 この検査の数字だけで見る限り、「正常型」と「糖尿病型」の中間にあるということで、「境界型」ということになるね。


● AYAちゃん「境界型って、良いんですか、悪いんですか」


 「境界型」で血糖値がさらに上がり続けたままだと「糖尿病型」へ移行するんだ。ただし、生活習慣を改善すれば、「正常型」に戻ることができるという意味だよ。


● AYAちゃん「えっ、糖尿病? まさか。だって、うちのお父さんはまだ41歳だし、特別太っているわけじゃないって、さっき先生言ってたじゃないですか。しかも、学生時代はサッカー部で、今も週1回はジムへ行って鍛えているんですよ」


 絶対糖尿病になるって言っているわけじゃないよ。今のままの状態だと、その可能性が高くなるということだね。 


● AYAちゃん「糖尿病って、有名な病気ですけど、そもそもどんな病気なんですか。病名からすると、おしっこが甘くなるイメージですけど」


 糖尿病は、病名から「尿に糖が出る病気」だと思っている人が多いけれど、血液の中の糖分が多いことが問題なんだ。おしっこに糖が出るのは、血液中の糖分が高くなった結果として出てしまうわけ。ただ、おしっこから糖が出たからといって、必ず糖尿病だと言うわけでもない。


● AYAちゃん「じゃ、糖尿病というネーミングが当てはまらないじゃないですか」


 糖尿病という名前がつけられたのは、18世紀なんだよ。尿がたくさん出て、その尿には甘みがあるということで、ディアベテス・メリトスと西洋で名づけられた。ディアベテスはギリシア語のサイフォンという意味、そしてメリトスは蜂蜜という意味だ。「糖尿病」というネーミングは、その日本語訳だよ。


● AYAちゃん「欧米か!」


 えっ、何?ときどきわけの分からないことを言うなぁ。ところが20世紀に入って、血液中の糖分を正確に測れるようになってくると、血液中の糖分が増えなくても尿に糖が出るグループがいることがわかったんだ。


● AYAちゃん「欧米か!は、お笑いのタカアンドトシのネタですよ。それはともかく、そういう人たちは、血液中の糖分が正常だから糖尿病ではないということですか」


 ネタは古いけど、その通り。腎臓の病気である場合が多いんだけど、糖が漏れ出てくる蛇口が下へ下がってしまったと言ったらいいかな。話が難しくなってくるからこれくらいにしておくけど。


● AYAちゃん「つまりおしっこから糖が出たからといって、糖尿病とは限らないということですね。だったら、こんなまぎらわしい名前をつけなければよかったんですよ」


 だから、かつては血糖値が高い状態を言う「高血糖病」という病名に変えたらどうかという意見もあったんだ。だけど、糖尿病というネーミングが古くから世間に浸透していたから、いまさらということで反対する人たちが多かった。


● AYAちゃん「確かに、見栄晴や谷隼人、宮崎美子が一時芸名を変えて、また元に戻したことがありましたね。やっぱり一度イメージが定着すると変えるのは難しいのかも」


 相変わらず芸能通だね。


● AYAちゃん「そんなことより、ホントにこのままだとお父さんが糖尿病になる可能性があるのですか。少し太ってきただけで、あとは前と全然変わりませんよ。血糖値が少しくらい高くても、お腹が痛いとか、どこかがかゆいとかなければ大丈夫なような気もしますけど…」


 血糖値は、多少高くても、自覚症状のまったくない人がほとんどなんだ。病気が進んで糖尿病になっても、よほど悪くならない限り自分が病気だとは気づかない。


● AYAちゃん「最初は自覚症状がないなんて、ガンみたいですね。でも、ガンほど怖い病気とは思えないんですけど」


 ガンはもちろん怖い病気だけど、最近は検査や治療法が進歩して、早期発見して適切な治療を行えば完治させることも可能になった。ところが糖尿病は、一度病気になると完全に治るということはないんだよ。


● AYAちゃん「えっ?不治の病なんですか?」


 また極端だね。糖尿病は、遺伝的な体質をベースにして、いろんな誘因が働いて発症すると言われているんだ。遺伝的な体質は一生変わることがない。だから、一時的に血糖値が下がっても、一生自分で気をつけていかなければならないという意味だよ。


● AYAちゃん「えっ? 糖尿病って遺伝するんですか? と言うことは、もしお父さんがこのまま糖尿病になったら、私も糖尿病になるかもしれないんですよね。これは大変。今日から何としてもやせさせないと」


 話は最後まで聞いてよ。糖尿病になりやすい体質が遺伝すると言ったけど、病気そのものが遺伝するとは言ってないよ。なりやすい体質に、いろんな要因が重なることによって発症するんだ。だから、もし糖尿病になりやすい体質があったとしても、その要因をシャットアウトすることで、糖尿病になる可能性をぐっと下げることができるんだよ。


● AYAちゃん「そうか。私はお父さんと違って大食いしませんからね。でも、自覚症状はほとんどないんですよね。だったら無理に努力しないで、ハニーブラッドのまま生きてゆくのも一つの生き方だと思うんですけど」


        (再来週に続きます)

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新シリーズ「AYAちゃんの糖尿病事件簿」がはじまりま~す♪

 こんにちは。

 地球温暖化はどこへ行ったのか、というくらい寒い日が続きますね~。

 部屋の中にいても、しもやけができて足の指がかゆいっす。つらくても、これで北極の氷がとけるのが遅れればラッキー、と思って我慢している今日この頃です。

 もっとも日本の寒さが、北極や南極の氷に影響しているかどうかはわかりませんが…。

 しかし、この寒さの中でも、靴下をはかずに草履でペタペタ歩いて平気な人が知り合いにいたのですよ。

 さすがに、昔鍛えた人は違うと周りの人が噂していたら、なんと重度の糖尿病で入院してしまった。

 糖尿病が重くなると、足の感覚が鈍くなることが多いのです。ところが、本人はよほど病気が重くならないと気づかない。

 なんと、画びょうが足に刺さっているのに、夜、入浴するまで気づかなかったというケースもあるそうです。

 …ということで、最近、とくに急増しているのが糖尿病。

 2007年の国民健康栄養調査によると、糖尿病とその予備軍は2210万人と指摘され、前の年の調査から340万人もの増加となったらしい。

 現在では、中高年の4~5人に1人が糖尿病とその予備軍だと言われておりまする。

 当然注目度は高いのですが、意外と糖尿病についての正しい知識を持った人は少ないのかも。

 それはよほど悪化しない限り自覚症状がないということと、糖尿病が行き着く先である合併症の恐ろしさが際立つ割に、病気になるメカニズムがわかりにくいせいではないか、と…。

 実は、オイラの周りにも血糖値の高い人が増えているので、糖尿病予防の記事を書いてみようと思ったのです。

 そういえば、2年ほど前まで脳の病気シリーズで「医師と女子高生の会話から」という記事を月一で書いていたのですが、出版されたこともあって途中でストップしてしまったのでした。

 もう一度、再チャレンジの意味をこめて、AYAちゃんシリーズの糖尿病編を書くことにしましたぁぁぁぁぁぁぁ~


 題して、「AYAちゃんの糖尿病事件簿」。サブタイトルは、「~ 血糖値の上がったお父さんを救うため、女子高生AYAちゃんが糖尿病の謎に挑む ~」。

 今回は少し、ミステリータッチにしてみようかなと思ったのですね~。

 前回は、ほぼ月一回のペースでしたが、今回はお散歩ネタと交互にアップできたらいいのですが…。

 前回のシリーズをご存じない方にもう一度説明しますと、「脳の病気シリーズ・医師と女子高生の会話から」の登場人物は、病院の院長であるベテラン医師と現役女子高生のAYAちゃん(松戸あや)の二人。


 AYAちゃんは、おじいさんが脳神経外科病院へ入院したことで、毎日お見舞いに通ってくる元気な女子高生。将来、看護師になることを夢見て、病院の院長先生から脳卒中のことを勉強するという設定でした。

 二人のイメージがわかないという方もいらっしゃると思いますので、オイラのイメージでイラストを描いて、ビジュアル化してみたのです。

 
 AYAちゃん(本名:松戸あや)

Ts362912

医療に興味を持ち、将来看護師になることを夢見ている元気な女子高生。おじいさんが脳卒中で入院したとき、毎日お見舞いに通っているうちに院長先生と仲良くなる。お父さんの血糖値のことで院長先生からアドバイスを受けることになったものの…。



  病院の院長先生

Ts362909

医学博士で、数多くの成人病の診察を行ってきたベテラン医師。
わかりやすい説明と気さくな人柄で地域の患者さんからの信頼は厚い存在だが、現代っ子のAYAちゃんにいつも振り回される。



 上のイラストは、一応オイラが描いたものですが、大学の漫画研究会出身としてはあまりうまくないかもしれませぬ。

 もっとも、「がきデカ」仕込みのギャグ漫画ですから、絵で勝負するというタイプではなかったのですが…。

 そういえば山上たつひこ氏も、絵にはコンプレックスがあったそうですね。オイラからすれば、あの少したどたどしい絵がいい味を出していたと思います。

 ストーリー漫画のリアルな表現で、「んがっ」とか「死刑!」とかやってもあまり面白くないと思いますし…。


 それはともかく、糖尿病の話。

 今のところ、書こうと思っているテーマは…

 「糖尿病って、何ですか?」

 「血糖値は、食事でコントロールできるの?」( 食べ過ぎない食事の仕方、ヘルシーなお勧めメニュー、低カロリーのおやつとその食べ方の研究)

 「血糖値は、運動でコントロールできるの?」(ダイエットに適した運動、ウォーキングを続けるための工夫)
 
 「糖尿病にならないための生活上の注意点」
            etc…。

 前回は少し思いつきで書いていた部分もあったのですが、今回は少しストーリー性も盛り込んで行きたいと思いまする。

 …といっても、あまり大したことはありませんので念のため。

 今回は、上記の二人のほかにも、新キャラクターが登場する予定ですよ。


 前置きはこれくらいで、早速、プロローグから…。



< プロローグ >                             


● AYAちゃん「先生、お久しぶりです。先日はどうもありがとうございました。これ、私が作ったんですけど、よかったらどうぞ」


 お久しぶり。何作ってきたの? お、ケーキか。じゃ、紅茶を入れてさっそくいただくとしようかな。ところでその後、おじいさんの具合はどう?


● AYAちゃん「おかげさまですっかりよくなったみたいです。今度、トライアスロンにチャレンジするんだって張り切っていましたから」 


 ちょっと、AYAちゃんの家族は皆、極端だから気をつけてよ。この前まで入院していたんだから。(AYAちゃんの作ったケーキを一口食べる先生)
 うっ、甘い…。


● AYAちゃん「甘いですか。砂糖を少し多めに入れましたからね。うちの家族は、味にメリハリがないとおいしく感じないんですよ。しょっぱいものはより辛く、甘いものはより甘く…」


 だからこの前、塩分は体によくないって、口をすっぱくして言ったのに。それにしてもこのケーキ、甘いだけじゃなく、妙にコッテリしているね。


● AYAちゃん「わかりますか、バターと卵とチョコレートをたっぷり入れてみました~♪」


 うっ、カロリー高そう。


● AYAちゃん「カロリーで思い出しましたけど、最近、うちのお父さんが太ってきちゃったんです」


 だろうね。AYAちゃんのお父さんは身長と体重はどれくらいなの?


● AYAちゃん「175センチで、今は体重が75キロくらいだって言ってました」


 (電卓を出して何やら計算する先生)するとBMIは、24.49か。一応、ギリギリで標準体重の範囲内なんだけど…。


● AYAちゃん「なんですか、BMIって」


 体格指数といって、標準体重を知る指標となる数値だよ。肥満度の判定は、次の数式で導き出されるんだ。


  体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル) =


 AYAちゃんのお父さんの身長は1.75メートルで、体重は75キロだから… 75 ÷ 1.75 ÷ 1.75 = 24.49 という計算式になる。数値が22なら標準体重で、18.5以上25未満なら普通。25以上は肥満だ。AYAちゃんのお父さんは、ギリギリだけど普通の体型ということになるね。


● AYAちゃん「お父さんが標準体重の範囲内なんですか。信じられな~い。若い頃より15キロも太ったって、お母さんがいつもブツブツ言ってますよ」


 標準体重は、身長(m) × 身長(m) × 22 で表されるから、AYAちゃんのお父さんの場合、1.75(m) × 1.75(m) × 22 で、67.375(キログラム)が理想だね。今よりあと8キロぐらいやせれば、より健康的な体型に近づくことになるんだよ。それにしてもお父さんは、15キロも太っちゃったんだ。 


● AYAちゃん「先生も、人のこと言えないんじゃないですか?(先生の腹をチラッと見るなっちゃん)」


 残念ながら、私の場合は昔から小太りなの。この腹の肉も内臓脂肪じゃなくて、皮下脂肪だからね。


● AYAちゃん「確かにやわらかそう。ところでお父さんですけど、この前の健康診断で、血糖値が高めって言われたみたいなんですよ」


 AYAちゃんのお父さんも、いよいよ予備軍に入隊か。


● AYAちゃん「何ですか?予備軍って」


今、血糖値が高めの人が急増しているんだ。血糖値が高い状態をほっておくと、糖尿病になる可能性が高まる。ある調査によると、日本人の成人の6人に1人が糖尿病か、その予備軍にあたると言われているんだよ。


● AYAちゃん「何だ、そういうことですか。血糖値が高いとビリー隊長のキャンプかなんかに入れられて強制的にトレーニングさせられるのかと思っちゃいましたよ」


(次回は再来週(予定)、「第1章 なぜ、お父さんの血糖値が上がったの?」に続きます)

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